奈良市議会 > 2009-03-13 >
03月13日-04号

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  1. 奈良市議会 2009-03-13
    03月13日-04号


    取得元: 奈良市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-08
    平成21年  3月 定例会平成21年奈良市議会3月定例会会議録(第4号)-----------------------------------   平成21年3月13日(金曜日)午前10時2分開議----------------------------------- 議事日程  日程第1 議案第1号 平成20年度奈良市一般会計補正予算(第5号)       議案第2号 平成20年度奈良市下水道事業費特別会計補正予算(第2号)       議案第3号 平成20年度奈良市国民健康保険特別会計補正予算(第3号)       議案第4号 平成20年度奈良市老人保健特別会計補正予算(第3号)       議案第5号 平成20年度奈良市土地区画整理事業特別会計補正予算(第3号)       議案第6号 平成20年度奈良市駐車場事業特別会計補正予算(第1号)       議案第7号 平成20年度奈良市介護保険特別会計補正予算(第3号)       議案第8号 平成20年度奈良市後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)       議案第9号 平成20年度奈良市宅地造成事業費特別会計補正予算(第1号)       議案第10号 平成20年度奈良市病院事業会計補正予算(第2号)       議案第11号 奈良国際文化観光都市建設審議会条例の一部改正について       議案第12号 奈良市介護従事者処遇改善臨時特例基金条例の制定について       議案第13号 戸籍事項の無料証明に関する条例の全部改正について       議案第14号 奈良市自転車駐車場条例の一部改正について       議案第15号 委託契約の一部変更について       議案第16号 平成21年度奈良市一般会計予算       議案第17号 平成21年度奈良市下水道事業費特別会計予算       議案第18号 平成21年度奈良市住宅新築資金等貸付金特別会計予算       議案第19号 平成21年度奈良市国民健康保険特別会計予算       議案第20号 平成21年度奈良市老人保健特別会計予算       議案第21号 平成21年度奈良市土地区画整理事業特別会計予算       議案第22号 平成21年度奈良市市街地再開発事業特別会計予算       議案第23号 平成21年度奈良市公共用地取得事業特別会計予算       議案第24号 平成21年度奈良市駐車場事業特別会計予算       議案第25号 平成21年度奈良市介護保険特別会計予算       議案第26号 平成21年度奈良市母子寡婦福祉資金貸付金特別会計予算       議案第27号 平成21年度奈良市針テラス事業特別会計予算       議案第28号 平成21年度奈良市簡易水道事業特別会計予算       議案第29号 平成21年度奈良市後期高齢者医療特別会計予算       議案第30号 平成21年度奈良市宅地造成事業費特別会計予算       議案第31号 平成21年度奈良市病院事業会計予算       議案第32号 平成21年度奈良市水道事業会計予算       議案第33号 奈良市個人情報保護条例の一部改正について       議案第34号 奈良市立図書館協議会条例の制定について       議案第35号 奈良市観光施設整備基金条例の一部改正について       議案第36号 奈良市職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部改正について       議案第37号 奈良市議会の議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当の額並びにその支給に関する条例及び奈良市報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について       議案第38号 奈良市特別職の職員の給与に関する条例等の一部改正について       議案第39号 奈良市一般職の職員の給与に関する条例の一部改正について       議案第40号 奈良市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正について       議案第41号 職員等の旅費に関する条例の一部改正について       議案第42号 奈良市手数料条例の一部改正について       議案第43号 奈良市保健所条例の一部改正について       議案第44号 奈良市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部改正について       議案第45号 奈良市介護保険条例の一部改正について       議案第46号 奈良市もてなしのまちづくり条例の制定について       議案第47号 奈良市人権文化のまちづくり条例の制定について       議案第48号 奈良市体育施設条例の一部改正について       議案第49号 なら工藝館条例の一部改正について       議案第50号 奈良市ラブホテル及びぱちんこ屋等建築等規制条例の一部改正について       議案第51号 奈良市営住宅条例等の一部改正について       議案第52号 奈良市学校給食センター条例の一部改正について       議案第53号 市立奈良病院使用料及び手数料条例の一部改正について       議案第54号 包括外部監査契約の締結について       議案第55号 市道路線の認定について       議案第56号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第57号 公の施設の指定管理者の指定について  日程第2 諮問第1号 使用料の徴収に関する処分についての審査請求に係る諮問について----------------------------------- 本日の会議に付した事件  第1、日程に同じ----------------------------------- 出席議員(42名)  1番 奥田正治君      2番 天野秀治君  3番 植村佳史君      5番 柿本元気君  6番 東久保耕也君     8番 山中益敏君  9番 藤本孝幸君      10番 松岡克彦君  11番 北村拓哉君      12番 山口裕司君  13番 浅川 仁君      14番 三浦教次君  15番 中西吉日出君     16番 幾田邦夫君  18番 北 良晃君      19番 高杉美根子君  20番 大橋雪子君      21番 山口 誠君  22番 松村和夫君      23番 井上昌弘君  24番 西本守直君      25番 森田一成君  26番 蔵之上政春君     27番 上原 雋君  28番 峠 宏明君      29番 矢追勇夫君  30番 矢野兵治君      31番 高橋克己君  32番 金野秀一君      33番 松石聖一君  34番 岡田佐代子君     35番 原田栄子君  36番 小林照代君      37番 松田末作君  38番 山本 清君      39番 和田晴夫君  41番 横井健二君      42番 土田敏朗君  43番 船越義治君      44番 岡本志郎君  45番 橋本和信君      46番 大谷 督君 欠席議員  なし 欠番  4番 7番 17番 40番----------------------------------- 説明のため出席した者  市長      藤原 昭君    副市長     福井重忠君  市長公室長   中屋 卓君    企画部長    森本恭平君  総務部長    上田和利君    市民生活部長  吉本賀勇君  市民活動部長  神田義隆君    保健福祉部長  荒木惠子君  保健所長    松本善孝君    環境清美部長  岩井信孝君  観光経済部長  志保篤治君    都市整備部長  佐々木 繁君  建設部長    小島重一君    水道局長    福村圭司君  業務部長    山上能秀君    技術部長    山田 要君  消防局長    猪岡秀夫君    教育委員長   冷水 毅君  教育総務部長  嶋田康敬君    教育長職務代理者学校教育部長                           中室雄俊君  監査委員    吉田 肇君    財政課長    田村隆嗣君----------------------------------- 議会事務局職員出席者  議会事務局長  芝野勇夫     議会事務局次長庶務課長事務取扱                           竹本尚史  議事課長    加井康章     調査課長    淺原 哲  議事課長補佐  米浪高之     調査課長補佐  池田孝夫  議事係長    梶 正樹  速記      大石智子-----------------------------------   午前10時2分 開議 ○議長(橋本和信君) 昨日に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 議案第1号  平成20年度奈良市一般会計補正予算(第5号) 外57件(質疑並びに一般質問) ○議長(橋本和信君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、議案第1号 平成20年度奈良市一般会計補正予算より議案第57号までの57議案及び日程第2、諮問第1号 使用料の徴収に関する処分についての審査請求に係る諮問について、以上58件を一括して議題といたします。 昨日に引き続き、質疑並びに一般質問を行います。 代表質問を行います。 9番藤本君。   (9番 藤本孝幸君 登壇) ◆9番(藤本孝幸君) おはようございます。 2日目の本会議でございますので、よろしくお願いいたします。 市民クラブの藤本孝幸でございます。既に通告をいたしております数点について、市長に質問を行います。 まず、大きな項目の第1点目は今後の市政運営についてでございます。同様の質問が昨日ありましたので、なるべく重複しないよう質問をさせていただきます。 市長は去る3月9日、次期市長選挙への不出馬を表明されました。突然のことでびっくりした次第でございます。私どもも、このことを非常に重く受けとめさせていただいておる次第でございます。市民の皆さん方も、突然の不出馬表明、大変驚いておられ、このことで市政の停滞や改革への逆行があってはなりません。市長の任期は本年7月30日までとなっており、市長御自身は、任期期間は全力で職務を全うすると述べられました。現在も本市は重要な施策を多く抱えており、任期満了まで引き続き市民のために頑張っていただきたいと思います。昨日も同じような質問がございましたが、あえて私からも質問をさせていただきます。 市政に停滞や、市民生活に影響があってはなりません。7月末の任期満了までどのような行政姿勢、決意で市政を担当されるかお示しをいただきたいと存じます。 続いての質問は、2005年、市長選挙の際掲げられた「アクション・奈良マニフェスト」についてでありますが、市民との約束、奈良の改新、市民と一緒に変える市政と題し、クリーン市政実現プランを初めとした5つの柱でまとめられたものであります。 市長が御就任され4年目となりますが、この「アクション・奈良マニフェスト」達成度について、御自身でどのように評価されているかお述べをいただきたいと存じます。 次に、我が国の経済・金融も危機的な状況にあります。この問題は地方自治体に大きく影響、まさに市民生活を直撃いたしております。しかも相当長期にわたる可能性もありますが、まず経済予測など、可能な限り先を見通すことが求められます。 市長は我が国のこの経済・金融不況をどうお考えか、その御認識をお伺いしたいと思います。 大きな項目の2点目、2009年度の予算案について質問を行います。 財政面につきましては、国や経済状態の動向も含めて御検討の上、予算編成をされていると思いますが、数点の質問を行います。 まず、歳入についてであります。本市の市税を含む税外債権合わせて101億円の回収についてであります。市税につきましては、滞納整理課が設置をされ、その徴収努力が行われていますが、税外債権である国民健康保険料や住宅使用料などはそれぞれの課が徴収事務を行っています。これをより効率的に行うために、昨年、副市長を本部長とする債権回収対策本部を設置されました。新年度から、どのような体制と手法で実施をされるのか、明らかにしていただきたいと思います。 さらに、市税収入の目標を92.0%と設定されましたが、これが実現可能であるか御答弁をいただきたいと思います。 次に、歳出についてでありますが、冒頭でも申し上げましたように、100年に一度の経済危機。市民生活は本当に厳しい状況にあります。私、議員個人に対しても、ほぼ毎日のように生活苦を中心とした相談があり、突然の解雇、また雇用期限の打ち切りを初め、安定した仕事につけない、あすよりもきょう、今、どう過ごせばよいか、そういう相談が格段とふえてまいりました。 もちろん経済は国策上の問題であるわけでありますが、奈良市としてこのような社会状況のもと、新年度の予算編成をどのように進められたかお示しをいただきたいと存じます。 続いて、大きな項目3点目、議案第1号、2008年度の補正予算についてであります。 まず第1点は、定額給付金についてでありますが、3月4日に定額給付金を含めた2008年度第2次補正予算関連法案が参議院では否決後、衆議院の3分の2をもって成立がありました。直近の民意は参議院、しかも、ばらまき政策であると、国民の半数以上はいかがなものかと、そういった世論調査も示されております。私ども民主党を初め野党は反対をしたわけでありますが、法案が成立したことを受け、本市でもその準備に入っております。国会で法律が決まり、地方自治体はこの事務を行わねばならないことについては理解をいたしますが、私どもは国が行う経済対策として、定額給付金のあり方に疑問を感じております。 そこで質問でありますが、定額給付金は世論調査で国民のほぼ6割が、さほどの経済効果は期待ができないとしております。本市でどの程度の経済効果があるか、御認識をお伺いしたいと思います。 2つ目は、子育て応援特別手当であります。反対はいたしませんが、支給対象の条件等が設定され、ごく限られた人数しか受け取れない、これには不公平感が残ります。市長の御所見をお伺いしたいと思います。 続いての質問は、JR奈良駅西側で計画されていたホテル建設問題についてであります。 昨日もたくさんの質問がございました。3月5日にJR奈良駅前ホテル開発は事業の撤退を表明され、その後、市長が記者会見を行われました。昨日の質問で経過や問題点、たくさんの指摘がありましたので、私は2点について絞り込んで質問を行います。 この間の経過の一部は、やはり不透明であったんではないかと思います。特に、昨年ゼファーが破綻後、どのような経緯でJR奈良駅前ホテル開発と事業協定となったのか。また、石炭殻の排出に関係する見積もりや契約内容について、市民や私ども議会に十分な説明、また情報の提示が十分でなかったこと、総じて言えば情報公開が、また説明が不足していたんではないかと思います。 こういった観点で、今後の行政運営はこれからも徹底した情報公開が必要であると考えますが、市長の御認識をお伺いしたいと思います。 2点目に、この当該の土地を92年ごろ、当時の奈良市土地開発公社が当時の日本国有鉄道清算事業団から購入した際、この地下に石炭殻が埋設されていたという重要事項についての記載もなく、いわば知らないまま購入したと言わねばなりません。それが今日となって石炭殻として排出処分しなくてはならない事態となっております。こうした経緯を考えますと、この契約は瑕疵があったということで、現在の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が当然負担すべきであります。 昨日、御答弁にもありましたように、既に文書で協議の申し入れも行われていますが、もし仮に、この整備支援機構が拒否をした場合、裁判をされる用意があるのかどうか、明確な御答弁をお願いしたいと思います。 大きな項目の4点目は、人口政策であります。 本市は全国的に見ても出生率が極端に低下しております。そういった観点で、昨年9月、奈良市少子化対策推進本部を設置されました。昨年の12月定例市議会では松石議員の代表質問で、市長が御答弁で具体的なその取り組みの方向をお示しになりました。さらに、この定例議会で開会日、市長の提出議案説明要旨でも、生活像の第3目標で子育てを応援する社会づくり、その取り組みを示されています。極端な少子化という問題とあわせて、今回は人口政策についての質問でありますが、先ほど申し上げましたように、残念ながら本市は人口が減少している都市であります。自然動態である出生率の低下に加え、死亡者数が出生率を上回る現象が2001年より始まっております。さらに、社会動態である転入者よりも転出者が上回る現象が2000年からこれも発生し、これをあわせて人口が減少傾向にあることは紛れもない事実であります。適切な人口の確保は健全な都市経営において必要であります。 市長御自身はこの現状をどう御認識され、この人口減少の要因についてどうお考えかお示しをいただきたいと思います。 この人口政策、まさしく総合政策・対策として実施をしていく必要がありますが、まずは担当する所管部門を明確にしておく必要があると思います。少子化の問題でも2年、3年かかったわけでありますが、急を要する政策でありますので、どこが担当されるか御答弁をお願いしたいと思います。 大きな項目5点目でございます。 2006年10月に発覚した本市の不祥事は大きな衝撃を与えました。当時、不自然な長期病気休暇の取得を初め、入札談合など多くの課題が一気に噴出をいたしましたが、市長は直ちに解決の方向性を具体的に示すためにさまざまな検討委員会を設置され、提言を受けた後、実施計画を作成され、必要な改革を断行されました。私どもは高く評価をいたしております。 この間のこの改革についての市長の率直な御感想をお伺いしたいと思います。 2つ目に、この改革の一つの節目、到達点が議案第47号、人権文化のまちづくり条例だと私は認識いたしております。3点お伺いをいたします。 この議案第47号、人権文化のまちづくり条例がどのような経緯を経て作成をされたのか。2つ目は、この条例の趣旨、どのようなものか。3点目、この条例の実効性を今後の行政運営でどう進められるか、お答えをいただきたいと思います。 市民は本市の人権施策について注目をされています。私は早朝の駅立ち、毎日平日は行っておりますが、時折、あの問題はどうなったのか、また自宅への電話やファクスで問い合わせや御意見や御批判を今でもたくさんの方からちょうだいいたします。この2006年の不祥事をどう乗り越えていくのか、そして今後、奈良市としてどうしていくのか、今まさにたくさんの市民の方が注視をされています。そういった観点で、今後の本市の人権施策の方向性、推進について、市長の御所見をお伺いしたいと思います。 大きな項目、最後でありますが、大和中央道の進捗状況と今後の課題についてであります。 大和中央道につきましては、同僚の山口 誠議員を初め多くの議員が再三質問をされてまいりましたが、現時点での大和中央道の進捗状況並びに今後の課題についての質問でありますが、既に一部供用開始となっております。しかしながら、本市の南北線としては重要な道路であり、特に残る課題である若葉台工区の着手の方向性、さらには、本市としての本道路の実現について御答弁をいただきたいと思います。 以上で私の第1問を終わります。 ○議長(橋本和信君) 市長。   (市長 藤原 昭君 登壇) ◎市長(藤原昭君) 9番藤本議員の代表質問にお答えをいたします。 まず、在任期間の私の市政運営の姿勢・決意についての御質問ですが、先日の10日には次期市長選に対して出馬しない旨を表明させていただき、市議会の皆様には御迷惑とともに御心配をおかけいたしたことに対し申しわけなく思っております。 市政運営につきましては、市長就任以来、市政の改新に全力で取り組み、マニフェストの実現、そして、平成19年度よりは都市づくりの方向性としてまちづくりプログラムを進めさせていただき、その実現に向け努めてきたところであり、21年度におきましても、その具体化のため、新年度予算を編成させていただいたところでございます。私なりに一定の市政の方向づけと仕組みづくりができたものと考えております。残任期間におきましても、就任以来、種をまき、育ててきたものが、それぞれ花を咲かせ、実を実らせるため、さらなる努力を果たすとともに、市政に停滞を起こすことのないよう配慮してまいりたいと考えております。 私の「アクション・奈良マニフェスト」の達成度についての御質問でございますが、議員の御質問にもありましたように、4年前の市長選挙に初めて出馬させていただくに当たり、私は、市政を運営、実行していくための柱となる施策として「アクション・奈良マニフェスト」を掲げさせていただき、その中で、奈良を変える5つのプランとして多くの具体的な施策を挙げさせていただきました。当選後、現状とすり合わせを行いながら、それぞれの項目実現に向け力を注いでまいったところでございます。そして、市政運営の目標としてまちづくりプログラムを掲げ、より具体化するための予算措置を図ってきたところでありますが、今任期最終年度となる平成21年度予算において、これまで育ててきたものの花が咲き、実のなるための予算として、今3月議会に提案させていただいたものであります。 この4年間、マニフェストに掲げさせていただいた項目については多くの部分において一定の成果を上げてきたものと自負しておりますが、しかしながら、その中においても形が見えてきたもの、これから形をつくり上げていくもの等、進捗の度合いにはやはり差があるところであり、新年度予算の中でさらに成果を得るべく編成に取り組んだところでございます。 次に、今後の行政運営にかかわって、我が国の経済・金融不況をどう認識しているかについての御質問でございますが、昨日の井上議員への答弁と重複するところもございますが、アメリカのサブプライムローン問題に端を発した世界の金融市場の混乱は、100年に一度と言われる危機を招き、金融の激変が世界経済を弱体化させているものであります。国の経済見通しにおきましても、我が国の景気は急速な悪化が続いており、先行きにつきましても悪化が続くと見られ、とりわけ雇用情勢が急速に悪化しつつあるとともに、企業の資金繰りも厳しい状況になっているとされております。2002年2月に始まった戦後最長の景気回復局面におきましても、外需を中心とする企業収益の好調に負うところが大きく、都市と地方の格差もあり、地方経済への浸透は緩やかなものであったと考えております。 このような状況の中で、景気の急激な悪化は地方経済を疲弊させ、地域住民の暮らしに深刻な影響を及ぼしますことから、住民の暮らしに責任を持つ地方自治体といたしましては、真に市民の皆様にとって必要なサービスを提供していくことが責務であると考えております。 次に、税外債権回収についての体制とその手法についてでございますが、平成19年度末においての税外債権については、国民健康保険料が約25億円、住宅使用料が約6億2000万円など、総額約50億円が滞納の状況でございます。これらの徴収対策として重点的に取り組むため、昨年10月に奈良市債権回収対策本部を設置し、組織改編を含めた徴収の強化対策や今後の方針について検討を進めております。滞納債権の効率的、効果的な回収に取り組むためには、専門的に取り組む新しい組織が必要であると考え、平成21年度は滞納整理課に債権回収係を新たに設け、手法の検討を進めつつ、徴収の強化を図ってまいります。 また、本年2月から、呼びかけセンターにおいて国民健康保険料の納入促進を行っており、税外債権についても収納の機会拡大を図ることとし、滞納債権の回収手法について民間活力の導入や滞納債権の取り扱いマニュアルを作成するなど、新しい組織において実効性を高めて滞納債権の縮減に努めてまいりたいと考えております。 市税収入92.0%の徴収は可能であるのかというお尋ねでございますが、経済状況が悪化し、納税環境も厳しくなるものとは考えられますが、財源確保、また何よりも税負担の公平性という意味合いからも徴収率の向上に努めてまいりたいと考えております。 その対策でございますが、コンビニ等による収納を導入し、収納機会の拡大や、奈良市納税呼びかけセンターから電話による納税、滞納防止を呼びかけるなどの徴収対策を図っております。さらに、徴収体制の見直し、強化を行い、その年度の税金はその年度に完納となるように、臨戸による納税指導を初め、地道に納税者の実情に合ったきめ細やかな納税指導を行ってまいりたいと考えております。こうした対策をさらに進めることにより、徴収率92.0%を確保できるものと考えます。 100年に一度と言われる経済危機の状況に対して予算編成をどのように進めたのかとの御質問ございますが、先ほども少し申し上げましたが、このような厳しい経済環境のときこそ、真に市民の皆さんにとって必要なサービスを提供していくことが行政の責務であると考えております。そのため、本市の財政状況も大変厳しいものでありますことから、歳出につきましては、事務事業の再編整理等、行財政改革の推進と選択と集中による予算の重点配分により予算編成を進めたものであります。特に、歳出削減への取り組みといたしましては、職員の新規採用の抑制による職員数を削減するとともに、職員給与につきましてはラスパイレス指数も低く、職員の働く意欲、士気にも影響するものでありますことから、熟慮いたしました結果、このような経済状況におきましては市民の皆様の御理解を得るため職員の協力により給料のカットを行い、人件費の削減を図ったものであります。 次に、施策の選択と集中でありますが、特に2009年度は平城遷都1300年祭を1年後に控え、これを一過性のイベントとすることなく、将来の奈良の発展のための礎になるよう関連事業も含めて取り組みますとともに、保健所等複合施設などの新市建設計画事業の多くが進展を迎える年でもあり、合併特例債等を活用して推進するものであります。 また、市民の皆様が不安なく安全・安心に暮らせる近隣コミュニティづくりをより一層推進いたしますとともに、とりわけ少子高齢社会が進む中、少子化対策、高齢者施策や教育施策の充実を図り、市民の参画と協働により取り組むための予算編成をしたところでございます。 次に、定額給付金についてでございますが、定額給付金の経済効果につきましては、内閣府によると、平成20年12月19日に出された政府経済見通しを作成するに当たっては、定額給付金の4割が消費に回ると想定し、実質成長率を0.2%分押し上げると試算したとのことであります。本市におきましても、同様に定額給付金の4割が消費に回ると想定すると、約22億円の経済効果が見込まれ、疲弊する地方にとっては一定の経済効果があると思われます。 次に、子育て応援特別手当の支給についての考えについてでございますが、本市にとりまして少子化対策は喫緊の課題であります。この特別手当は、多子世帯の幼児教育期の負担に配慮する観点から実施されるもので、定額給付金に比べまして余り話題になっておりませんが、国の示す範囲内で給付漏れのないように万全を期してまいりたいと考えております。 次に、ゼファー破綻以降のJR奈良駅前のホテル事業に関しての情報公開が不十分でなかったのか等についての御質問でございますが、ゼファーが民事再生手続を開始いたしましてから、ゼファーに対し、事業の継続、協定履行を強く求め、またSBIホールディングスについて対してもホテル事業の重要性を説明し、あわせて監督委員にもゼファーに対しての要請状況の文書を発送したことについては、議会にも機会あるごとに御説明をいたしてきたところでございますが、事業を承継する事業体の選定につきましてはゼファー側が主体となり進められていたという状況もあり、途中経過について十分御説明することができなかった点があったのではないかと存じております。今後は、さらに議会等への情報の提供に努め、情報公開を進めることで説明責任を果たしてまいりたいと考えております。 石炭殻の処理費用について、旧国鉄清算事業団に費用負担を求めるべきではないかについてでございますが、当該土地は主に平成4年に奈良市土地開発公社が旧国鉄清算事業団から買収した土地で、今回、産業廃棄物があったことが確実となりましたことから、平成21年3月2日付で奈良市土地開発公社から鉄道建設・運輸施設整備支援機構に対しまして、その処理について協議申し入れの文書を発送したところでございます。この回答の内容いかんによることとなりますが、弁護士とも相談の上、訴訟も視野に入れ、対応策を検討したいと考えております。 次に、大きな御質問の人口施策についてでございます。 本市は自然動態、社会動態を通じて人口減少傾向が続きますが、この減少、現状をどう認識しているのかについてでございます。 日本の人口は平成17年から減少に転じましたが、本市の人口は自然動態、社会動態を含めまして平成13年から減少に転じています。議員がお述べになりましたように、適切な人口の確保は市税の確保やまちの活力の保持、地域のコミュニティの維持の面からも必要であると認識をいたしております。本市が合計特殊出生率の低さにおいても、社会動態の面においても人口減少傾向が強まっていることは、まさに憂慮すべき事態であると認識をいたしております。 本市の出生率の低さや、転入者より転出者のほうが多いが、その原因についてどのように考えているかということについてでございますが、合計特殊出生率の低さにつきましては、昨年9月に奈良市少子化対策推進本部を設置し、子育て家庭に対して奈良市次世代育成支援に関するニーズ調査を実施いたしました。また、合計特殊出生率の低さにつきましては、全国平均より25歳から29歳の未婚率が高いこと、また通勤時間が長いなどの要因もあるのではないかと考えられますが、本市特有の少子化要因及び市内の地域特性調査・分析を実施する必要もあると考えております。 一方、社会動態による減少はさまざまな複合的要因があると考えますが、地域的に見れば人口が増加をしている地域もございますので、これらの原因をよく分析し、適切な施策を講じていく必要を感じております。 人口政策は総合的に推進するべきであるが、所管部門を明確にしておく必要があると考えるがということで、所管部門に関してのお尋ねでございますが、さきにも御答弁させていただきましたとおり、人口減少に対する取り組みは非常に重要な取り組みであると考えております。現在、都市経営戦略会議で良好な住環境の形成による定住の促進についてを議題として、人口誘導の方向性について御議論をいただいております。これらの内容は、平成23年度を初年度とする次期総合計画にも反映させていかなければならないと考えております。また、総合的な人口政策についての所管は企画部が担うことになります。 次に、議案第47号にかかわっての御質問でございます。 まず、2006年の不祥事以来、改革を進めてきた私の感想についてのお尋ねでございますが、長年にわたる同和行政に対する認識の不足や職員の意識の中に特別法終了後の状況把握が不十分であったということにより、対応を明確にしてこなかったことが不祥事の背景にあるとしまして、市行政としての共通の基盤を確立するために、平成18年11月に奈良市の同和行政を真に人権行政にするための検討委員会を設置いたしました。その委員会の提言を受け、翌平成19年3月に策定した本市としての基本方針に基づき、これまでの特別施策の抜本的な見直しを図ってまいりました。 その中で、昨年8月には平成5年に出された同和対策事業の推進に当たっての依命通達を廃止し、また、今後の人権行政を進めていくための関係団体との協議等に関する指針も作成をいたしました。一方、地区内施設等のあり方や位置づけにつきましては、現在、所管がえも含めた見直し作業を進めているところでございます。 また、今議会に、その集大成として奈良市人権文化のまちづくり条例案を提案させていただいております。この間、さまざまな改革を進めてまいりましたが、これによりまして、本市の今後取り組んでいく人権行政の方向づけができたものと考えております。 次に、人権文化のまちづくり条例案がどのような経緯を経て作成されたかについてでございますが、現在、本市が取り組みを進めております、すべての人々の人権が尊重される自由で平等な社会の実現、とりわけ人と人とのつながりを重視した、ともに支えあう社会づくりのため、現行の奈良市部落差別等あらゆる差別をなくすことを目指す条例を廃止し、新たな人権行政を推進するための基本になるものとして奈良市人権文化のまちづくり条例として制定するため、昨年10月から11月にかけて、本市の附属機関であります奈良市人権施策協議会を3回開催し、協議の上、素案をまとめていただきました。これを経て、昨年12月22日から本年1月20日までの期間、パブリックコメントを実施し、寄せられた意見について人権施策協議会で協議の上、最終案をまとめていただいたところでございます。 条例の趣旨についてでございますが、この条例の目的は、すべての人々の人権が尊重される自由で平等な社会の実現であり、人と人のつながりを重視したともに支えあう社会づくりであると考えております。また、近年は新たな課題も生まれ、社会問題化している状況にもありますことから、今後はあらゆる人権課題に対応するための人権行政を推進していく上での基本になるものとして、その条例を位置づけようと考えております。 条例の実効性についてでございますが、この条例によりまして、市が施策を進めるだけでなく、市民の皆さんが主体的に人権文化のまちづくりに参画することの重要性を認識しながら、市民参画と協働のための仕組みづくりを行ってまいりたいと考えております。そのためには、市行政のすべての部署で全職員が人権意識、人権尊重を視点に置いて業務を遂行することが重要であるとの考えから、市行政全体で取り組んでまいりたいと考えております。 新たな人権施策推進への私の思いについてでございますが、平成18年に発生しました元職員の不祥事に端を発して、これからの人権行政を進めるための基本方針を策定し、この考え方に基づいて見直しを図ってまいりました。また、本市が人権行政を進めていく上で、この根幹となります条例を今議会で提案させていただいているところでもございます。今を真に新たな出発点としまして、奈良市人権文化推進計画及び奈良市人権教育推進についての指針に沿って、人権のあらゆる課題解決に向けて、教育、啓発を中心とした施策の推進に取り組んでいくことが重要であると考えております。 次に、大和中央道の進捗状況と今後の課題についてでございますが、この道路につきましては、私も常々申し上げていますように、奈良市の南北の軸として最も重要な道路であると考えております。 進捗状況につきましては、ならやま大通りから旧奈良工業高校東側までと、阪奈道路から大池川までの区間は既に供用いたしております。その間に位置します敷島工区につきましては、平成11年度事業の認可を得、用地の取得に鋭意努力をいたしているところであり、用地取得率約60%となっています。このことから、今後も引き続き用地取得に全力を挙げ、この工区の完成を目指してまいりたいと考えております。 また、残る若葉台工区につきましては、早期事業着手をすることが望ましいと考えますが、敷島工区の一定のめどが立った時点で事業の認可ということになりますので、一日も早い完成に向け、努力をいたしてまいります。 以上をもって答弁といたします。 ○議長(橋本和信君) 9番藤本君。 ◆9番(藤本孝幸君) 2問目は自席から行わせていただきたいと思います。 再質問はいたしませんが、幾つかの課題、問題について、私なりに主張、意見を述べさせていただきたいと思います。 まず、市長御自身の不出馬の表明、これは本当に皆さんが驚かれた一瞬でございました。ここにつきまとうのはやっぱり不安とか動揺やと私は感じます。特に、市民の方への説明責任と同時に、一番気になりますのは職員さんの士気であります。こういった動揺が広がりますと、どうしても士気に影響しかねないということになりますので、その辺への配慮、市民への説明と職員への配慮を十分にお願いして、任期を全うしていただくために頑張っていただきたいと存じます。 多少前後いたしますが、御理解をいただきたいと思います。 まず、定額給付金の問題でありますが、99年に同じような地域振興券という制度が実施をされました。当時は194億円の執行。この後、当時の経済企画庁がこの地域振興券を受け取られた9,000人の方に抽出調査をされました。結果が、当時の振興券の使用によっての消費は約32%、残りの68%は貯蓄や振興券がなくとも行われた消費に回ったと報告をされているわけであります。当時の報告をインターネットで調べますと、名目GDPは2000億円、全体の0.04%程度。内訳である個人消費の0.07%と報告されています。比較すると、市長との御答弁とは少し違うわけでありますが、今回は原則銀行などへの振り込み。お金が直接振り込まれるわけでありますので、お金をおろしてわざわざ使われる方がおられるのか、これも疑問であります。さらに、この現金給付に近い定額給付金の制度は、多くが貯蓄に回るんではないかと予測をできます。 民主党は国会で、他の野党の皆さん方とともに反対でございました。先ほども申し上げましたが、衆議院では可決、参議院では否決。その判断が分かれたわけでありますが、衆議院の3分の2で法律が成立をいたしました。私は、地方自治体でこの事務を行う、法律でありますのでこれは理解をいたします。私は個人として、この定額給付金を受け取らないつもりで対応してまいりたいと考えております。この意見だけを申し上げたいと思います。 ホテル問題についてであります。 やはり一連の経過をお聞きしますと、その時々の必要な情報や説明が不十分であったこと、今議会始まる前に市長御自身が議会を回られたわけでありますが、そういった説明をしなければならないこと自体がそういうことを物語っているんではないかと思いますので、今後の市政運営での教訓化をしていただきたいと考えます。 もう1点は、石炭殻の処分についてであります これについても非常にわかりづらかったわけでありますので、私は、この石炭殻、埋設をされていることを知らずに当時買ってしまった、そして当然、当時のJRはこのことを知っておられたと思います。当時はさほど環境問題がやかましく言われていないときであったのでどうかわかりませんが、当然、こんなことは契約の中に重要事項として説明しておかなくてはならないことでありますので、文書で今協議を申し入れられておりますが、いつまで返答があるのか、もし返答がなければどうされるのか、そういった課題が出てくるわけであります。もし回答がなければ、JRへ出向いていって協議をしたいと口頭で申し入れていただきたい。そして、先ほども申し上げましたように、もし拒否をされた場合、訴訟も含めて強い姿勢で私は臨んでいただきたいと思います。 人口政策であります。 少子化対策本部の設置をされて、今後の取り組みに期待をするわけでありますが、やはり私は少子化の先に見えてきたことはこの人口政策であります。もっと早く気づけばよかったわけでありますが、やはり社会動態、自然動態ともに減少している。この社会動態、一番多いときでも、1年間で1,897人の人が奈良市から出て行かれているわけであります。本当にこれは、私は本市にとって重要な問題だと認識をいたしております。 御答弁では、さまざまな複合要因があると市長御自身は述べられたわけでありますが、私もこういったことを実感することに時々出会います。私の東市小学校区でも、大きな家におばあちゃんがお一人、または、おじいちゃんがお一人。息子さん、娘さんはどこへ行ったんですか。大阪や東京、名古屋へ行って、もうそこで住んで帰ってこない。私も年老いて心配なので、近々子供たちのとこへ身を寄せようと思っている、こういった方が大変多いことを実感いたします。特に、人口流出は若い世代が多いわけであります。職場は県外、そして、帰宅時間も一番遅いのが奈良県、奈良市の特徴でありますので、そういった要因も含めて、やはり総合的な適切な施策を構築していただきたいと思います。人口問題の所管を企画部としていただきましたので、今後は企画部を窓口にして調整してまいります。事務分掌への追加掲載をお願いしておきたいと思います。 最後に、議案第47号、人権文化のまちづくり条例でございます。 一つの大きな節目の時代、私は、この条例案を歓迎したいと思います。 この土曜日、日曜日に、地元のことで恐縮でありますが、私のすぐ近くにある古市人権文化センターで2つの催しがございました。3月8日日曜日は東市地区にも女性防災クラブの発足式がございまして、110名の方、参加をされました。その前日7日には、第5回こころあったかコンサートが開催をされました。私も時間がありましたので出席をしたわけでありますが、これは地元自治会などが実行委員会を結成され、東市校区全体としての取り組みに広がっています。校区の、また近隣地区にある福祉施設などたくさんの方が参加をいただいて、歌や踊りなどを通じて交流を図っていこうという催しでございました。 開会式で、地元の実行委員長、連合体自治会長は、近隣地域との交流を今後ともしっかりと進めたい。そして東市校区の自治連合会長は、このあったかコンサートを通じて、人との出会い、それを大切にして校区の活性化につなげていきたいことをおっしゃいました。私、とてもそういった意味で感激をした次第でございます。この催しには、本当にたくさんの方が出席をされました。あの1階のホールが満杯。立ち見も含めてたくさんの方においでをいただいたわけでありますが、特に印象的なことは、やっぱり笑顔でございました。笑顔。これがもうどなたの笑顔も素敵であり、素晴らしいものであったわけであります。この人権文化のまちづくり条例の始期については趣旨が述べられたわけでありますが、私は五感を通じて、一つはこの人権文化という意味を感じた次第であります。こういった取り組みが奈良市全域に広がることを期待したいと思います。 2006年の不祥事の問題の本質は何であったのか。私は、やはり当時、歴代の市長や市の幹部がしんどいことは先送りをしてきたこと、これだと思っております。藤原市長におかれましては1期目でありましたので、全く責任がないということではありませんが、まさに歴代の市長や幹部の責任が大きいと思います。たくさんの課題が一度に出て噴出したわけでありますが、適切な対応であったと思います。しかし、まだ残された課題、実施計画を計画的に実行していただかなければなりません。ぶれない政策を継続していただきたいと思います。 条例の趣旨については理解ができました。この実効性がやはり課題であります。この人権という理念を政策的にどう普遍化させるのか、これがポイントだと思います。前条例につきましては、当時の時代背景もあって制定されたと認識いたしておりますが、実効性に乏しかったのではないかと思います。この条例の趣旨を政策にぜひのせていただいて、人権文化という政策をより前へ向けて推進をしていただきたいと思います。 大和中央道についてはよくわかりました。 この続きは、本日、山口 誠議員が行います。予算案の詳細につきましては同僚議員が引き続き行いますので、よろしくお願いいたします。 以上で私の質問を終わります。 ○議長(橋本和信君) 34番岡田君。   (34番 岡田佐代子君 登壇) ◆34番(岡田佐代子君) 代表質問の最後になりましたが、私ども新政クラブを代表して質問をいたします。 まず、質問に入ります前に、私ども新政クラブが新たにこの時期に会派を立ち上げまして、今議会で代表質問させていただく機会をいただきましたことを本当に感謝申し上げます。 私たち3名ですが、最年長の大谷議員を初め、私も長年議員をさせていただきまして、奈良市の市政のあり方をこれまで見守って、そして提言もさせていただいてまいりました。その動向を見ていく中で、今こそ本当に奈良市がこれまでにない局面を迎えているというこういった事実を見て、黙っていることができませんでした。とりわけ、これまで奈良市が進めてきた行政手法をも振り返りながら、今、奈良市にとって何が必要であるか、また厳しい財政状況の中で何を改革していくべきなのか、そうした考え方や施策について市民の皆さんに説明できる、説明責任をとれる議員でありたいと思っております。そのためにも、議会という場でしっかり発言できる場を持つことの重要性を感じ、今回、本当に短い期間であることはわかっておりますけれども、会派を組ませていただき、私が代表質問をさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、その趣旨にのっとりながら、通告に基づいて市長にお尋ねをしていきたいと思います。 まず初めに、補正予算案からでございますが、先日からの代表質問で皆さん取り上げられております。その中で、とりわけ私は、まだわからない点について踏み込んで質問させていただきますが、経過とか問題点とかは、きのうの代表質問でかなり浮き彫りになってまいりました。そして問題は、今後、市長がやめられるという声明をされているわけですけれども、やめられたとしても奈良市として残される問題がございます。 そのために、1点目、ホテル建設のために売却した土地でございますが、売買契約を結んでいる以上、買い戻さなければならないということになってくると思います。売買契約書に基づいていつの時点で買い戻さなければならないとお考えなのでしょうか。そして、その金額は。 2点。一緒ですが、買い戻すとして、その金額と財源ですね、それをどうするというふうに考えておいででしょうか。 それから、先ほども少しわかりにくいと随分言われております、現在も補正予算に上程されております産業廃棄物処理、いわゆる石炭殻の掘削ですが、これ経費2億4000万円で計上されておりますが、今現在、工事が中止されておりますから、この金額では合わないということは事実ですが、とりたててこの産廃の工事費について、その支払い、工事費の支払いのタイミングをどのように考えておられるのかお尋ねしたいと思います。 補正予算については、きのうから随分続いておりますので、私はそれぐらいにしておきたいと思います。 続いて、平成21年度予算案を審議しなくてはならないところでございますが、突然、市長から不出馬表明という形で、私たちはこの本会議で市長の報告というものを承りました。 その中で、藤原市長が平成17年に着任以来、市政の改新に全力で取り組んできたと報告されております。その制度改革、全力で取り組んできたという制度改革は一体何だったのかという点について、次の3事業を挙げられましたよね。1点目、同和対策の一般施策への見直し、2点目、入札制度の改革、そして老春手帳優遇制度の見直し、この3点が改革の柱であったと御自分の口でおっしゃいました。 この3事業、改革、改革の名ばかりが走るわけでありますけれども、そこであえてしっかりお尋ねいたします。この3事業を改革することによって奈良市の財源効果はどれだけあったのか、そして目に見えた効果はどのようなものであったのか、そして新たな課題は何であったのかを改めてお尋ねいたします。 続いて、市長の不出馬報告の中でとうとうと述べられておりましたが、市政の改新に全力で取り組み、先ほどの3点に取り組み、平成21年度の予算編成を終えて、自分なりに一定の方向づけと仕組みづくりができたものと考えていると。新市建設計画にかかわる保健所及び教育センターや都祁の行政センターの整備など、これから本格的着手に運ぶ云々というふうな説明でございましたし、最後に、何よりも市長が着任に際しマニフェストとして挙げてきたものが実行しつつあると。それぞれの成果に一定の自己評価ができるものではないかと考えていますと述べられたわけですね。そこまで自己評価されながら、ホテル誘致事業が失敗したことで、なぜ次期選挙に出馬しないという決意をされるのか、どうも私は理解に苦しむところであります。市長の真意をもう一度お尋ねいたします。 引き続き、平成21年度一般会計予算の中からでございますが、代表質問が続く中で、財政の問題、予算方針案等々、答えられてきたわけですが、支出抑制の厳しい財政状況ですよね。収入も不足している、ならば支出を抑制しなくてはならない。その中にあって、まず私は、平城遷都1300年の負担金が突出していることに目が向いております。気になって仕方がございません。 そこで、改めてお尋ねいたしますが、平城遷都1300年事業における奈良市の負担金について、どこでどのように決定され、また他市町村の負担はどのようになっていますか。これまでは、この事業に関連する寄附金についても提案されてきたわけでありますが、その寄附金というのは今そのようになっているか、3月現在、幾ら寄附金があったのかお示しください。また、このイベントが一過性にならぬようと先ほどもお答えいただいておりますけれども、一過性にならない方向性の考え方、また、その経済効果はどのように考えておられるのかお示しください。 4点目、先日、国都審で報告があったようでありますが、平城宮跡歴史公園、いわゆる国定公園事業について、その区画の中に積水化学工業の工場が含まれております。この公園に工場が含まれているというのも大変不思議な問題でございますが、積水の移転問題についてどのように考えておられるかお示し願います。 そして、一般財源の最後でございますが、これ私の地元の問題でございまして、仮称南部老春の家の進捗は、地元の皆さんも私たちもこの議会で進捗状況を聞いてきているところでございますが、地元の皆さんにとって、建設が動き始めていることは感じているし、期待もしていますが、その場所に行くための交通アクセスについて非常に心配されております。 ここで改めて、仮称南部老春の家の進捗状況と交通アクセスについてお尋ねしたいと思います。 市長については以上の5点の質問をさせていただきます。 引き続きまして、教育行政について、教育長職務代理者にお尋ねいたします。 1点目、まずは認定こども園について。いよいよ4月から富雄南幼稚園の認定こども園が始まろうとしておりますが、1つ目は、その富雄南幼稚園の認定こども園についての運営方法についてお尋ねをいたします。 2つ目。12月議会でも私が気になっているところで質問はさせていただきましたけれども、今回、富雄南幼稚園は幼稚園型の認定こども園であり、また、次に予算案で計上されております都祁の認定こども園については保育所型であるというふうに理解しております。さて、奈良市にこの2つの認定こども園を設置するに当たって、幼稚園型と保育所型の認定こども園を設置する場合、その整合性と調整機能というものが必要であるというふうに私は常々考えておりますが、これについて考え方をお示しください。 2点目、小学校の給食の調理業務の委託について、平成21年度も5校の予算案がつけられておりますが、この業務委託も本当に短時間の間に大急ぎで実行されました。しかも年度途中でされたわけでありますが、この業務委託に至った経過をいま一度お示しいただきます。そして、財政的な効果について、そして今後この委託をどのように考えていかれるかをお示しください。 最後に、同和教育を基軸にした人権教育ということで私は提案させていただきます。 気になるのは、この間、一連の同和対策の見直しというそういった中で、これまで同和教育が築いてきた人権教育の基盤を担っていただいた教員配置制度等と、あるいは教育内容、そのようなものがどのように変化していったのか。このことをお示ししていただきながら、今後の考え方についてお尋ねをいたします。 以上、私の1問目を終わらせていただきます。御答弁のほどよろしくお願いいたします。 ○議長(橋本和信君) 市長。   (市長 藤原 昭君 登壇) ◎市長(藤原昭君) 34番岡田議員の代表質問にお答えいたします。 まず、補正予算案にかかわっての数点のお尋ねでございます。 売買予約契約書に基づいて、いつの時点で買い戻すのかについてでございますが、今後、事業者との協定解除に向けた協議を行っていくことになります。買い戻しの時期につきましては、その協議の内容を踏まえ、買い戻しに要する予算を議会で議決いただいた時点で、契約書第3条に基づき、予約完結権を行使する旨の意思表示及び所有権移転手続を行うべき日を通知することとなります。金額については8億円と取り決めをしているところでございます。 そして、その財源をどうするのかについてでございますが、現在、平成21年度の当初予算を提出させていただいておりますが、大変厳しい財政状況において、地域振興基金の繰りかえ運用をもって財源措置をしております。したがいまして、このたびのホテル誘致計画の白紙撤回による当該用地の買い戻しの必要性に対処いたしましては、緊急性も勘案して、基金からの繰りかえ運用という財源措置になると考えております。 産廃処理工事は中断されていますが、その費用の支払いのタイミングをどう考えるかについての御質問でございますが、JR奈良駅前ホテル開発が平成21年3月5日付でホテル開発事業からの撤退の表明をしたことを受けまして、3月6日にJR奈良駅前ホテル開発に対して処理工事実施の中止を申し入れました。その結果、工事は中止された状態になっております。 今後の対応ですが、まず、この処理に要しました費用がいかほどであるかを決める必要がございます。処理量に応じて精算することになると考えられますが、その点につきましても相手方と協議を進めてまいりたいと考えております。この額の確定作業と並行しまして、支払い時期、支払い方法等につきましても、あわせて協議を進めることとなります。 次に、これまで制度改革をしてきた3事業について、それぞれの効果等を含めた御質問でございます。 まず、同和施策の見直しにつきましては、個人的給付事業等の特別施策を廃止し、また、加配していました保育士や教員の配置の一般施策化を図ることによって、市全体ですべての子供たちに支援が行き渡るように制度の組み直しを図り、当時の積算による財源効果としては約2億9600万円の減となっております。見直しによる財源のシフトにより、教育的配慮の対象を市全体として、必要な園児・児童に広げる考えで30人学級の実現を図ることができ、また、広く市民の皆様がみずから人権について学習する機会を提供する施策も展開をしております。 今後の課題としましては、これらの事業を実施するだけでなく、市民の皆さんがさまざまな活動を通し人権意識を高めることにより、ともに支え合う社会づくりのため、市民参画の仕組みづくりも大切であると考えております。 次に、入札制度の改革につきましては、郵便入札や電子入札制度の導入を進め、公正で透明性のある改革を進めております。この結果は落札率にあらわれており、建設工事のうち土木一式工事につきましては、平成18年度86.5%であったものが20年度は77%に、建築一式工事では、18年度92.5%が20年度84%となって効果があらわれていると思っております。今後も電子入札制度の拡大など、常に課題を持って見直しを図っていくものと思っております。 次に、老春手帳優遇措置事業についてでありますが、これにつきましては、昨年8月、臨時市議会で御議決をいただきました新制度を進めておりますが、バス優待乗車は、2月1日現在、3万1952人に対して交付をしており、新しい制度はほぼ順調にスタートできているのではないかと理解をしております。 財源効果を市の負担額で比較して御説明をいたしますと、バス優待乗車につきましては、平成20年度の上半期の委託料実績から通年を計算しますと約6億1000万円必要とされますが、21年度予算の委託費が2億9000万円であり、約3億2000万円の財源効果となっております。また、映画券及びふろ入浴券につきましても、同様に平成20年度上半期実績から通年を計算して21年度予算と比較いたしますと、映画券では約1億700万円の減であり、ふろ入浴券については対象者の増と入浴料金の値上げに伴う負担増にもかかわらず、約1400万円の負担減が考慮され、合計で4億4100万円の比較減となっております。 この制度の改正は、老春手帳優遇措置事業が持続可能となるべく改正したもので、今後も制度の動向を見守り、検証していくものと思っております。 次に、ホテル誘致事業の失敗したことで、なぜ次期選挙に出馬しないのかについてでございますが、これは先日もお話しさせていただいたように、私といたしましては、そのことを含め総合的に判断して決断をしたつもりでございます。もちろん市として、また私のまちづくりの目標でもあります文化観光集客都市づくり構想、そして平城遷都1300年祭に向けた最重要施策の一つであるホテル誘致が白紙となったことは大きな要因であり、その結果責任を強く感じていることは事実でございます。しかし、それだけでなく、市長就任以来の4年間を振り返ったとき、この4年で市政の方向づけと仕組みづくりができ、一つの区切りではないかとの思いから、これらの思いを総合的に勘案して決断したところでございます。よろしく御理解を賜りたいと思います。 次に、平城遷都1300年関係で数点のお尋ねでございます。 まず、平城遷都1300年祭における奈良市の負担金について、また他市町村の負担についてでございますが、まず奈良市の負担金につきましては、当初のいわゆる博覧会形式での開発計画の時点で種々検討の結果、シルクロード博の負担例を参考に、県・市2対1という負担割合の方向となり、それが平城宮跡を国営公園化することに伴う計画の見直しの段階で、平城宮跡事業以外のウエートが増すことや本市の財政状況等を勘案して、奈良市の負担は平城宮跡事業に限って県・市2対1で20億円が限度となったものでございます。 新年度の平城宮跡事業では、展示・催事関係、会場施設関係、運営・交通関係など、合計で約30億円程度の事業費を予定いたしております。その中で、県・市2対1で本市の負担として8億7550万円を予定させていただいております。 次に、他市町村の負担についてでございますが、協会の事業計画の中でのせております収支計画の100億円には他の市町村の負担金は含まれておりません。県内各地でもいろんな事業が行われるわけでございますが、それらは直接市町村の経費で行われたり、市町村の経費と協会の経費を持ち寄って行われますため、協会の収支を経ずに執行されることとなり、100億円の外で負担している形になります。 企業寄附金がどのようになっているのかということで、3月現在の寄附額は幾らかというお尋ねでございますが、企業からの寄附金につきましては、ことし1月15日に平城遷都1300年記念事業を側面から支援するため、日本経済団体連合会会長御手洗冨士夫氏を会長に、関西経済連合会会長下妻 博氏を委員長とする平城遷都1300年記念事業推進委員会が立ち上げられました。記念事業協会では、この委員会の設立を契機に、経済団体等に対して協賛のお願いを開始したところでございます。したがいまして、現在のところ、企業からの寄附金を得るところまでは至ってないと聞いております。 このイベントの経済効果についてのお尋ねでございますが、最近の民間のシンクタンクから大きな数字が発表されたようでありますが、記念事業協会が実施した予測によりますと、100億円の記念事業支出に対して、奈良県内で約750億円の経済波及効果をもたらすという結果が出ております。そのときの経済状態によって波及効果に影響を及ぼすことも考えられますが、いずれにいたしましても大きな経済効果があるものと考えております。 平城宮跡歴史公園の区域の中に積水化学工業の工場が含まれておりますが、この積水の移転をどう考えていくか等についてでございますが、ことし3月6日に都市計画法の規定に基づく手続を経て、奈良県において平城宮跡歴史公園の都市計画決定の告示がなされたところでございます。このことにより、平城宮跡歴史公園の区域に積水化学工業の工場用地が含まれることとなりました。今後、奈良県が中心となり、補償調査等に着手し、その後、積水化学工業側と本格的な交渉に入っていくこととなります。積水化学工業の工場用地につきましては、平成4年に奈良県が国立文化財総合機構構想を打ち出して以降、中ノ川への工場移転等の問題がありましたが、結果的には中ノ川への移転を断念したという経過につきましては議会においても種々御議論をいただいたところでございます。今回の国営公園化に伴い、工場の移転も含めた交渉となっていくと思われますが、本市が担っている史跡朱雀大路指定地の保護にとっても必要なものと考えております。 次に、仮称ですが、南部老春の家の進捗状況と、特に交通アクセスについてのお尋ねでございます。 仮称南部老春の家は、年度末から新年度当初にかけまして敷地の造成工事を行いますとともに実施設計を進めますが、新年度は平成22年度の完成を目指して建物の建設工事に着手するため、工事費等、所要の経費を計上させていただき、あわせて債務負担行為を設定させていただきました。 また、建設場所は既存のバス停からのアクセス道路の条件が悪いため、施設開設に合わせてバスを運行する計画でございます。 以上をもって私の答弁といたします。 ○議長(橋本和信君) 教育長職務代理者。   (教育長職務代理者学校教育部長 中室雄俊君 登壇) ◎教育長職務代理者学校教育部長(中室雄俊君) 34番岡田議員の代表質問にお答えをいたします。 まず、お尋ねの認定こども園、富雄南幼稚園の運営内容についてでございますが、昨年10月に3歳児50人、4、5歳児各60人を定員として入園募集を行い、3歳児50人、4歳児38人、5歳児33人の計121人に入園許可を行いました。なお、うち16人が8時から18時の長時間保育を希望しています。9時から14時の共通利用時間には、各年齢2学級の6学級編制で幼稚園教育要領に基づく教育を実施いたします。それ以外の時間帯には、3歳児から5歳児の縦割り保育を原則とし、保育所保育指針に基づく保育を実施いたします。 職員配置につきましては、市立幼稚園では30人学級を実施していることから、4、5歳児につきましては、園児30人につき教員1名の配置といたしました。また、3歳児につきましては、発達の違いから、園児25人につき教員1名の配置といたしました。その配置基準に従いまして、4月には園長1名、主任1名、短時間利用担当6名、長時間利用担当4名、子育て支援担当1名の計13名の幼稚園教員を配置する予定であります。なお、長時間保育を行うことから、時差勤務を行うことになります。 続きまして、幼稚園型と保育所型の認定こども園についての調整機能をどう持つかについてでございますが、幼稚園型につきましては、教育委員会において運営内容の企画、認定申請、認定こども園実施に伴う環境整備にかかわる事務を進めております。保育所型につきましては、保健福祉部が担当しております。なお、協議の必要な運営内容等につきましては、保健福祉部と会議を持ち、随時調整を図っております。 このように教育委員会と保健福祉部で担当しておりますのは、認定こども園制度が、幼稚園と保育所の法的な位置づけを保持したまま、その機能を拡大することで地域の実情に応じた柔軟な対応ができるように創設された制度であり、認定こども園制度により幼稚園と保育所が一元化されるのではなく、あくまでも制度上は文部科学省と厚生労働省が所管していることによるものであります。 こうしたことから、現在、国におきましては、認定こども園制度の在り方に関する検討会を設置し、これらの課題解消について検討を進めているところでございます。本市におきましても、今後、国の認定こども園制度の見直しを受け、組織のあり方について市長部局とも調整を図ってまいりたいと考えております。 次に、小学校給食調理業務委託についてのお尋ねでございますが、まず、業務委託に至った経過についてでございます。 本市では、一部の学校を除き、自校単独調理方式により学校給食を実施いたしておりますが、平成19年度時点で調理業務に従事する正規職員数は調理員配置基準の約半数となり、安全で安心な学校給食を継続していくことが大変厳しい状況になってまいりました。このため、学校給食の目的やサービスの質を損なうことなく、民間活力を有効に活用することにより経費の削減を図ることと、あわせて調理職員の労働環境の改善を目的に、平成19年度の2学期から、まず7校において民間委託を実施したものでございます。 続きまして、お尋ねの業務委託することによる財政的な効果についてでございますが、平成19年度に委託をいたしました7校につきまして、直営時に配置をいたしておりました調理員について、正規職員、再任用職員及び臨時職員の実数に基づき、それぞれの平均年収を合計した額と委託料の合計を比較いたしますと、委託した場合の経費は約72%で済むこととなり、約3800万円の削減となります。来年度、5校新たに委託する方向で進めておりますが、同様に試算いたしますとほぼ同じ率の削減が見込まれます。また、配置されている調理職員をすべて正規職員として試算した場合にはさらに低い率となりますので、長期的に考えますと財政的に大きな効果が見込まれると考えております。 続きまして、委託の今後の方針についてでございますが、委託を開始して1年半が経過してまいりましたが、保護者や児童からは、直営時と変わりなく、温かいおいしい給食が提供されているとの声を聞いております。学校長からも、衛生管理を含め円滑に業務を遂行していると高い評価を受けております。したがいまして、今後につきましては行財政改革の推進と調理職員の労働環境の改善を目的として、調理員配置基準と正規調理職員数の推移を見きわめながら業務委託を進めていく必要があると考えております。 次に、同和教育を基軸とした人権教育のあり方についてや、これまで築いてきた教員配置はどのように変化していったのか、また今後の考え方についてでございますが、これまでの同和教育は、人間尊重の精神に徹し、差別を正しく認識し、差別をなくす意欲と実践力を持った人間を育てるため、学校園では、暮らしを見詰め、子供に寄り添い、一人一人を大切にする教育として進めてまいりました。特に、学校教育におきましては、長欠、不就学の解消や学力の向上を目指し、昭和48年度より同和教育推進教員を配置し、平成14年度からは学校内での人権教育の推進、課題を持つ児童・生徒への支援、家庭や地域関係機関との連携を行うため、人権教育推進教員として再配置いたしてまいりました。 しかし、今日の児童・生徒の教育的課題は全市的に存在するとの認識のもと、平成19年3月末をもってこの制度は廃止するとともに、平成19年4月からは学校において学習指導や生徒指導に関し教育上配慮を要する児童・生徒への支援を目的として、児童生徒支援教員を10名配置いたしました。 今後もこれまでの理念を大切にしながら、平成19年に策定をいたしました奈良市人権教育推進についての指針に基づき、今日の多様化した人権に関する問題の解決と一人一人の人権意識の高揚を図り、仲間とともによりよく生きていく人間の育成を目指してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(橋本和信君) 34番岡田君。 ◆34番(岡田佐代子君) 御丁寧な答弁ありがとうございました。 2問目は自席から行わせていただきます。 市長には再答弁いただくこともあるかと思いますが、1つ、答弁いただいた中で、今じっと聞いておりまして、補正予算の件で、売買予約契約書が生きている限り第3条に基づいて予約完結権を行うとおっしゃっていますし、これはそういう手続をしなくてはならないだろうと、奈良市がですね。金額は8億円とおっしゃっているわけですけれども、この8億円について、この間の説明のときも、その8億円の根拠、試算根拠どうなるのかということもあわせて説明を願わなくてはならないと思うんですけれども。そして、支払いの財源どうするのかと聞きましたら、今の21年度予算そのものが地域振興基金を繰りかえ運用していると。これ一般財源の中に入ってしまっているわけですね。次、どの基金を使ってこの8億円の財源を出そうとしていらっしゃるのか。それが1つ。 それから、石炭の今掘っているお金は払わなくてはならない、これはもうそうおっしゃっているわけですが、答弁の中で、今2億4000万円上がってきているけれども、今後、相手方と協議を進めて、この支払い時期と方法、それから額も決めていかなくてはならないとおっしゃったわけですよ、今、答弁の中でね。これ私、タイミングどうするんですかと聞いたのは、市長、やめると言うてはるわけじゃないですか。7月に出えへんっておっしゃっていて、この協議と、それから相手方の協議と、それから額決める作業についてどういうふうにしていこうと思っていらっしゃるのか、もうちょっと具体的にお示し願わないと。きょう、本会議ですので、これ引き続き予算特別委員会でも議論になるかと思うんですけれども、補正予算についてはその2点、再質問いたします。 それから、平成21年度のところで、これまでの経過を振り返りながら質問させていただいたんですけれども、3つの事業の見直しの金額を私、聞いてまいりました。それで、はっきり出た数が、同和対策の見直しで2億9600万円、それから高齢者、老春手帳優遇施策で全部合わせて合計4億4100万円とおっしゃいましたね。入札制度については財政的な効果述べられておりませんので、いわゆるこの3事業を見直した中で、7億3700万円の財源が浮いたと言ったら変ですけれども、見直しできたと、そういうふうにおっしゃっております。 私は、この財源の話からもそうですけれども、市長が旗を上げて改革の名のもとに切られてきた、財源的に言うと7億数千万円。時間もなくなってきますが、一つ一つ確認したいと思うんですけれども、きょう改めて財源効果を聞いたときに改めておっしゃったことが、同和施策の見直しについて、財源効果として上がってきたのが、学校や保育士も上がっていますけれども、その保育士や教員の配置を一般施策しましたと。それで、これに係る当時の積算から見て財源効果、まあ減らしたから約2億9600万円ですと。その見直しによる財源のシフト、見直した財源どうしたか。教育的配慮の必要とする市全体の、その必要な子供たちに向けて30人学級の実現を図ることができましたと、これ市長の答弁ですわね。教育長職務代理者はちょっと違う形で答えられましたけれども、細かいことは聞きません。 言いたいのは、きょう初めて財源効果の中でこのようにおっしゃったんです。これまで同和対策で配置してきた教員や保育士を削った財源で、そのシフト変更を30人学級にしましたとおっしゃったんですよ、市長。答弁していただいた。私はあえて申し上げます。30人学級の実現は評価いたします、藤原市長として。しかし、これは市長のマニフェストであって、30人学級には、マニフェストの中で30人学級するとおっしゃったから、これは実現すべきなんですよ。ところが問題は、同和問題の見直しの流れの中で、財源を削ったのが子供にかかわる教師であったということです。これは私、ちょっと見逃せません。私たちは、同和教育という名のもとで出発した人権教育、この人権教育推進の先生方が何をしてこられたか。先ほどこれは職務代理者からありましたけれども、子供の実態に即して親や地域との連携、子供たちが学校に来ない、子供たちの問題を抱えながらも、この子たちを学校に就学させたい、そういう一念の思いで地域や家庭訪問する先生方の姿がございました。この姿に胸を打たれて、子供たちが学校に戻っていく姿を私たちは40年も50年も前から確認してまいりました。いわゆる30人学級とか特別支援というのも大切な課題なのです。例えば、特別支援学級は、この同和教育の人権教育があったからこそ、すべての学校に必要であるという目標が見えてきたわけでありますから、もとの根本のところの基軸をのいてはいけないと思っています。いわゆる人権教育を推進する足場をきっちりつけた上で、特別支援であったり子供の人権教育であったりを広めていく、このシフトを忘れてはいけないというふうに思っておりますから、廃止して一般施策に変えて人権教員をなくしましたという、このやり方をされたということを改めて指摘をしておきます。それは私たちとしては理解できない。先ほど評価するという話がありましたけれども、人権教育推進教員をなくすことは理解できないということであります。 それから、時間がないのですが、次の入札制度についてです。 この入札制度も変えてきました。パーセンテージを上げられております。金額の提示はございませんが、私はこれ入札制度の改革の一方で、きのうもちょっと問題になりましたが、新たなプロポーザル方式というのを用いられてきましたけれども、これ去年度、私、建設委員会にずっといてプロポーザルとはどういうものかというものも勉強させていただきましたが、どうも公正・公平という観点が、もやがかかってきたのではないかというふうに感じております。こういう細かなことについては、また委員会で続けてやっていきたいと思いますから、入札制度やりました、こういうふうになりましたとおっしゃいますが、一方でプロポーザル導入によって、もやのかかったようなところがあったのではないかということを指摘しておきます。 それから、老春手帳優遇施策について、約4億4100万円の減ということで、これは私たちも、市長おっしゃいますように、8月議会の臨時議会で賛成をしてきた立場ですから、市民の皆さん、あるいは高齢者の皆さんに説明できる立場でなくてはならない。何も市長だけの責任やと言っていません。しかしながら、これが改革の、きのうもだれかおっしゃいましたが、結局、市長の改革してきた主な柱は高齢者優遇施策と同和施策と、そして一般競争入札の施策であった、この3点であったということは、御自分の口でおっしゃった紛れもない事実であります。 この高齢者施策について、4億4100万円やんか、もっと違う形で考え直していかなくてはならない時期も来ると思います。というのは、これはまだ制度が変わって間がないので、6月議会でも議論していきたいと思っておりますが、せんだって奈良交通の方が、この制度に変わって使い勝手悪くないですか、どうですかというアンケート調査に歩いてはりましたわ。奈良市としてそういう高齢者の方々に、制度が変わるについての説明、あるいは使ってみてどうであったかという調査、丁寧な調査が行われているのかどうかもあわせて、私はまだ確認できていないわけでありますが、高齢者の皆さんの目線に沿った今後やっぱり改革のあり方を考えていかなくてはならない。それは8月議会で私たちも賛成したわけでありますから責任がございます。この制度を持続可能な制度とすべき改正、これは異議がございませんから、私たち議員も6月議会で議論をしていきたいと思っております。 しかしながら、市長は先ほど、私、ホテルの問題でそれだけ自己評価されながら、ホテルの問題でなぜやめられるんですかと聞いたときにも、まだやっぱり理解はしにくいですね。やめるとおっしゃるから引きとめるとかそんなことでもないけれども、問題になったそのホテル誘致問題については、まだまだ明確になっていない点もたくさんあると私は感じております。今後の予算特別委員会でまた審議が進められていくと思いますけれども。今、市長に再質問していますので、あんまり今はべらべらしゃべらないで、後で時間をいただいたら私の思いも伝えたいと思います。 教育行政について、1点だけ。これは再質問しませんけれども、給食の民間委託についての経緯と、それから財政効果と今後の見通し、お答えいただきましたけれども、これは率直に申し上げて、行財政改革の効果という点では財政的に余り高く上がっているとは私は感じておりません。むしろ、なぜ行財政改革の中で子供たちの学校の給食が、民間委託だけが先行していくのかという私なりの持論を持っております。そして、答えの中で、正規職員と調理員さんの労働条件の改善を目的としてというお話が出てきましたので、これは私なりに調査し、積算していきますと、来年度5校、これ新たに予算が計上されておりますけれども、この5校で調整が一定落ちつくと思います、今の現状から見たときに。これ以上、民間委託を進めるべきではないと、私はこの本会議で提言をしておきたいと思います。 以上、2問目を終わります。 ○議長(橋本和信君) 市長。 ◎市長(藤原昭君) 数点ございますけれども、答弁が必要なのかどうかは少し、あるような項目につけても、少しお答えを申し上げたいと思います。 まず最初に、8億円ということですけれども、これはゼファーには10億円で売ったことではございますけれども、今度ゼファーから譲渡を承諾した書類の中に、つまり新しい会社に譲渡したときのその書類の中に8億円は記載されています。この額自体は、民事再生にかかっている監督委員の同意を得てこの額を確定しているというふうに解釈すべき額だと思います。 それから、新たに私たちがその時期での鑑定を、その時点での、そのときの鑑定は約9億円弱ということで判断をしました。そういうことからしますと、その後の不動産の価格の動向などから考えていっても、この額というのは考えられる妥当な額だというふうに考え、8億円ということで新たな契約を行ったということでございます。先ほど言いました9億円弱になっていたのは、平成19年3月の鑑定で9億円弱ということでございましたので。 それから、2つ目の資金、その8億円をどんな形でというのは、これはこれからも地元との協議も必要でございますけれども、地元公共事業の基金、これを活用させていただくという、今、緊急的に活用させていただくということで考えております。 それから、もう1つ、産廃処理、まあ私も任期7月いっぱいありますから、これはもうこの協議はすぐに取りかかれるわけですから、いかに具体的に、さらによりわかりやすくその協議を進めるという体制をとって、具体的な量とか、そして、その処分についての内容なりを協議してまいりますので、そして、その結果として6月議会に基本的には提示をさせていただくという形で進めさせていただければというふうに考えているところですので、時期的にも一定の対応ができるというふうに考えております。 それから、もう1つ、同和対策事業の30人学級の関係ですけれども、やはり教員の加配というところは、一番大切なことは、子供たちをどれだけきめ細やかに見れるかということを、やはりやっていくことだったと思うんです。私は、このきめ細やかに見ていたこと自体で、同和地区における、いわば細やかな教育の先進的な事例だというふうに判断をいたしました。だから、本当にそれまでやられていた同和対策にとっていいこと、評価されることは、やはりそれを一般施策として広げていくということに考えておりましたので、そういう意味ではその施策を細やかに子供たちを見るという意味での施策として30人学級を全市に広げて実施をしていったということでございますので、全く無関係な考え方でこの施策をやったわけではございません。同和対策事業の成果を生かした改革だというふうに、私自身はそう解釈をしているところでもあります。 以上かと思います。 ○議長(橋本和信君) 34番岡田君。
    ◆34番(岡田佐代子君) 3問目ですので、私の思いを伝えたいと思います。 今、市長からもう本当に生の答弁をいただいたわけでね、30人学級は必要で、同和教育の成果を生かした取り組みであったとおっしゃっているわけですから。私は30人学級否定してない。30人学級は同和教育のこれまでの成果を生かして、一人一人の子供を大事にする考え方を全校に配置していきたい、これはこれでやっていいんです。ただ、先ほどの答弁の中で、同和対策で削減した財源をそちらにシフト変更したという考え方は間違っていると思います。むしろ言うなら、人権教育推進教員はそこに残した上で30人学級の実現をする、上乗せしていくというのが市長のマニフェストの実現では必要であったと思っております。これは私のあくまでも意見です。かみ合わないところを、本来ならば市長と議論していかなくてはならないんでありますけれども、突然の不出馬というところで、これは本会議でそぐわない質問でありますので、私の考え方を提示させていただきます。 それと、もう1つは、先ほど第47号議案でいろいろ説明されましたけれども、第47号議案だけでなく大変御丁寧な説明をされておりましたけれども、私は話を聞きながら、同和対策の見直しについては、これは法律がなくなったときには、いずれやらなくてはならないということで、既に検討委員会を立ち上げ、2006年でしたか、検討委員会を立ち上げてやりましたとおっしゃっていますが、それまでに同和対策の今後のあり方についての検討委員会というのは、審議会も設置し、我が議会からも審議委員を送りながら、今後の同和対策のあり方ということで十分議論をしてきたはずでありますし、答申が切れるに当たってどのような一般施策化していくかという、そういった方向を市長にも答申してまいりました。これはまだ藤原市長でなかったときでありますけれども。そういう行政手法として、きちっと同和対策を一般施策に移行していくための方策を答申として出してきたはずでありますし、それは生きていたはずであります。そのことで速やかに一般施策化が進められていく、その矢先に、いわゆる職員のああいう形での問題点が発覚しました。これは奈良市の職員管理の問題が、私はかなり大きなポイントを占めてきたと思いますけれども、にもかかわらず、同和対策の検討委員会が必要だということで、あらしのように新たな検討委員会を立ち上げて、まるでこれまで奈良市が何もしてこなかったかのような印象を市民に与えたことは確かであります。 そこで、同和対策とは何であったのか。ここで議論する、私たちはこの同和問題を解消するために行政施策を練ってきた。その背景にあるものは地域の実態であり、そして差別意識という意識であり、そういった事実を確かめながら法に基づいて執行してきたはずであります。私はそのことに何の間違いもないと思います。それを見直さなければならないと一連のセンセーショナルな形でやられることで、私、残ったものを気づいていただきたい。あのとき地域の名前もマスコミで出された。地域の施設もマスコミで出された。市長は深々と頭を下げられた。今のホテル問題で深々と頭を下げられたところを私は見たことがないですけれども、あのときの深々と頭を下げられたその印象の中で何が残ったかということだけ御指摘申し上げますが、そこに住む地域の子供たちや地域の人々がまるで表に出られないような、それは同じ地域に住む者として痛みであります。 私たちは部落差別というこの社会的な差別の中で、私たちというのは私もその中で生まれて育ってきたから私たちと言うわけですけれども、そのことを誇りに思って生きたいというふうに教育を受け、いろんな運動団体の方も頑張ってきた。私は一人の人間として、一人の人間として誇りに思って生きたい。だったら、差別という現象をやっぱりなくしていきたい。そんな思いの中の40年間、30年間であったと思いますが、一瞬にして、その地域の人々がすべて悪いことをしているような印象を与えてきた。これはまだまだ社会にある、市長のせいやとは言うていませんよ、社会にある差別意識、ねたみ意識、その意識が根強くある中で、それが吹き上がってきて、新たな差別意識を引き起こしかねない事態になってきたのだというふうに指摘をしておきます。 私も歯がゆい。砂をかむようにこの2年間、黙って聞かざるを得なかった状況があるんですが、今回、条例も改正になります。時代の流れやなと思います。部落差別等あらゆる差別をなくす、この願いの条例を審議させていただいたのが、1991年の私が初当選し、奈良の中ではとりわけ部落問題というものは避けて通れないというこの事実に沿って条例の制定に尽力をさせていただき、そのときの議員の皆さん方の御理解をいただき、市長提案として提案されてきたものであります。今回、その条例が新たに人権の条例として変わっていく、これに異論はございません。しかしながら、この日本にあって、奈良にあって、部落差別の現実というものは避けて通れないんだということを、私が身をもってここでもう一度述べさせていただきます。そして私たちは、子供たちの時代に差別を残さないために、そして差別されてきた痛みを知っている者はいじめをしない、人を傷つけない、そういった人権教育の柱をきっちりと伝えていくために、最後に申し上げます。人権教育推進教員は必要である教員であるということを。私は、条例が変わるすべてを切ってしまっていいとは思いません。そういった先生方のこれまでの尽力に敬意を表し、今後とも子供の人権に係る施策について、保育も教育もともに頑張っていきたいと思います。細かなことについては予算特別委員会で審議させていただきます。 きょう、力を入れて言ったのは、市長、あなたがやめるとおっしゃるからです。初めて登壇されてきたときに花束を渡したのは私です。あの、はにかみながら登庁された市長の姿は今も忘れません。そして、今数々申し上げました改革の中で、砂をかむような思いをしてきたのも私です。やめる際の市長の姿を見定めていきたいと私は思います。 以上です。ありがとうございました。 ○議長(橋本和信君) 以上で代表質問は終わりました。 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午前11時51分 休憩   午後1時1分 再開 ○副議長(奥田正治君) 議長所用のため、私かわって議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○副議長(奥田正治君) 質疑並びに一般質問を続行いたします。 18番北君。   (18番 北 良晃君 登壇) ◆18番(北良晃君) こんにちは。創友会の北でございます。 きのうからいろいろ議論がありますように、昨年の世界的な金融危機に端を発しました景気の後退によりまして、我が国の経済、国民生活は非常に深刻な影響を受けておりまして、奈良市におきましても、市税、特に法人税の大幅な減収が見込まれ、これまでにない厳しい財政状況になっております。こんな中でございますけれども、やはり地方が、奈良市が元気になることこそ本当に大事だと思っております。 なお、藤原市長、突然の次期市長選挙不出馬の表明がございました。しかし、奈良市政、永遠に続いていきます。そんな意味も込めまして、通告をいたしております数点につきまして、市長並びに関係部長にお聞きをさせていただきます。 初めに、簡易水道の公営企業法適用の進捗状況につきまして、市長にお伺いをいたします。 奈良市、都祁、月ヶ瀬が平成17年4月に合併して本年で5年目を迎えようとしております。合併に際しましては、合併協議会が設置され、市町村の合併に関する法律に規定する項目の協議とあわせまして、新市建設計画の策定についても協議をされました。新市建設計画につきましては、合併後の速やかな一体化を促進し、住民の福祉向上と地域の発展を図るためのまちづくりの方向性を示すために策定されたものでございます。この新市建設計画の中で、水道事業につきまして、都祁地域、月ヶ瀬地域の簡易水道事業の地方公営企業法適用に向け、整備・充実を図るとなっております。合併後4年を経過しようとしております今日、現在どこまで進んでいるのか、その進捗状況についてお伺いいたします。 同じく、簡易水道の料金についてでございます。 都祁、月ヶ瀬両地域の簡易水道料金につきまして、合併協議により、当分の間、現行のとおりとするとなっております。現行では、例えば、家庭用口径13ミリで10立方メートルの基本料金では都祁地域が1,580円、月ヶ瀬地域2,000円、奈良市上水道で930円であります。この料金の格差の解消につきましては地域住民から強く要望されているところでございます。 そこで、住民福祉及び公平な負担から考えますと、合併後4年が過ぎようとしておりますが、両地区の水道料金の格差是正を今後どのようにしていただけるかお伺いをいたします。 次に、平城遷都1300年記念事業が実施されるに伴いまして、地域におけます取り組みにつきまして企画部長にお聞きをいたします。 先日も話がありましたけれども、今月6日付の新聞報道によりますと、平城遷都1300年記念事業による福井県を含む関西地区2府5県への経済波及効果が1564億円となると試算をまとめられ、なお、宿泊需要が大きい奈良県が63%、988億円を占めるとありました。 記念事業につきましては、平城宮跡を国営公園化することによります計画の見直しがあり、なかなか内容が見えてこない状況でありましたが、最近になり、平城宮跡を中心とする事業の全体像が具体化してきたという印象を持っております。また、あわせまして、テレビ放映なり、また、せんとくんの活躍、開会までのカウントダウン等々、PRも行き届いてまいりました。事業の地元説明会で、交通対策等を心配する意見が出されたといった個別の課題はあるようでございますが、今後は固まってきた計画内容を積極的に広報し、市民の皆様の理解を得、機運を高めていく段階ではないかと考えます。それとともに、奈良市内でも各地域ごとに独自の取り組みを模索し、取り組みを立ち上げ、あるいは、現在行われております事業、行事等のレベルアップを図る取り組みといったことが必要ではないかと思います。 そこで、市内各地で独自の取り組みを立ち上げるとした場合、奈良市としてそれをどう位置づけ、どう支援していただけるのか、また、記念事業協会に対してどういう働きかけをしていただけるのか、市としての考えをお聞きいたします。 次に、文化財保存につきまして教育総務部長にお聞きをいたします。 まず、都祁上深川町八柱神社で伝えられております題目立の無形文化遺産のユネスコ登録についてでございます。 題目立は、上深川町八柱神社の秋祭りで伝えられている民俗芸能で、文化財保護法に民俗文化財の指定制度ができた昭和51年、文化庁より重要無形民俗文化財に指定され、さらに奈良市におきましても、江戸時代から伝わる題目立の台本を上深川題目立詞章本として奈良市指定文化財に指定をいただきました。昨年、文化庁がユネスコの無形文化遺産代表リストへの登録を提案する重要無形民俗文化財候補として、題目立が選ばれたとの報道がございました。ことし9月に正式決定されるとお聞きをいたしております。なお、全国で14件、関西からは祇園祭の山鉾と2件のみと聞いており、すばらしいことだと思います。題目立は室町時代に始まったとされ、類例に少ない語り物の芸能であり、中世の芸能の姿をうかがわせる貴重な民俗芸能であり、地元においてもこれを機会に守っていく機運が一層高まってまいりました。 そこで、題目立のユネスコ無形文化遺産への登録に向けて、地元自治体でございます奈良市としてどのように対応いただけるのか、また働きかけをいただけるのか、お聞きをいたします。 次に、候補として上げていただきましたが、登録のため、今後、地域としてもどう取り組むべきかについてお聞きをいたします。 3点目といたしまして、都祁におきましても多くの文化財がございます。これらの普及啓発についてどういうお考えを持っておられるかお聞きをいたします。 これで第1問を終わらせていただきます。 ○副議長(奥田正治君) 市長。   (市長 藤原 昭君 登壇) ◎市長(藤原昭君) 18番北議員の御質問にお答えいたします。 私に対しましては、簡易水道の地方公営企業法適用の進捗状況についてのお尋ねでございます。 月ヶ瀬、都祁地域の簡易水道の地方公営企業法適用化に向けての事業につきましては、合併をいたしました平成17年度から、施設用地等の資産確定業務や給水装置工事台帳の作成業務等を鋭意進めてまいりましたが、未登記物件が多くある中、資産確定等に予定外の日数を要している状況でございます。また、加えまして、地方公営企業法を適用するに当たり、新たに現在の簡易水道施設の改善事業が必要となり、新年度から安全管理に伴う施設整備や低水圧区域の解消事業等の予算が必要となったことから、その計画にもおくれが予想されるところとなっております。 また、簡易水道料金につきましてですが、議員御指摘のとおり、公平負担の原則から、奈良市水道局と月ヶ瀬、都祁簡易水道料金等との格差の解消を図ることは肝要であると考えております。 そこで、先ほど申し上げましたとおり、地方公営企業法適用化に向けての整備は若干おくれが見られるところでございますが、合併後5年目を迎えようとしている中で、水道料金については地方公営企業法適用化に先行して見直しを図り、早期に新料金体系が構築できるよう検討を進めております。 以上をもって答弁といたします。 ○副議長(奥田正治君) 企画部長。   (企画部長 森本恭平君 登壇) ◎企画部長(森本恭平君) 18番北議員の平城遷都1300年記念事業についての御質問にお答え申し上げます。 平城遷都1300年祭にかかわっての地域での取り組みについてでございますが、市長の答弁にもありましたように、本市といたしましては記念事業をまちづくりのワンステップと位置づけておりますので、市民の皆様の御提案などでいわば自然発生的に事業を立ち上げていただき、しかも、一過性ではなく継続的に実施していただけるようであれば極めて意義深いものになると考えております。記念事業に来られるお客様が、平城宮跡だけではなく市内をめぐっていただき、宿泊もしていただくことが肝要でございますので、本市といたしましても多くの支援をさせていただく必要があると存じております。 具体的な施策といたしましては、記念事業協会では県民活動支援・後援事業を立ち上げ、この3月末までの期間で対象事業を募集中でございます。これは、平城遷都1300年祭に県民・市民の皆様が主体的に参画し、主催者となって企画、実施する事業を対象にするもので、採択されますと、対象経費の2分の1以内、限度額50万円以内で助成及び後援事業、または後援事業として認定し、記念事業協会として広報支援をしていこうとするものでございます。 また、本市におきましても、新年度に市民連携企画補助事業を立ち上げ、遷都1300年祭に市民の皆様が主体的に事業の立案から参画し、主催者となって企画、実施する事業を対象に補助をさせていただく予定をいたしております。これは補助対象経費の2分の1以内、100万円を限度に補助していこうとするものでございます。補助期間につきましては5月1日から6月30日までを予定いたしております。いずれも審査を経て採択を受ける必要がありますが、各地域での取り組みや盛り上がりを期待したものでございます。このことにつきまして、市民だよりへの掲載や記念事業協会とも連携しての全国への情報発信等に努めてまいります。 1300年祭を絶好の機会として、現下の経済状況ではございますが、観光振興を中心としての活性化につなげてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(奥田正治君) 教育総務部長。   (教育総務部長 嶋田康敬君 登壇) ◎教育総務部長(嶋田康敬君) 北議員の御質問にお答えいたします。 まず、1点目の重要無形民俗文化財、題目立のユネスコの無形文化遺産登録に向けての対応についてでございますが、御承知のように、文化庁は昨年9月に無形文化遺産の保護に関する条約発効後の第1回目の提案候補として、奈良市上深川町の題目立を含む14件の提案書をユネスコ事務局に提出しております。文化庁が提案書を作成するに当たり、奈良市におきましては、同庁の要請に基づき、奈良県とともに地元保存会への趣旨説明や提案書に必要な関係資料の作成などについて協力を行ってきたところでございます。 現在、ユネスコにおきましては、各国から提出されました提案書の事前審査が行われており、議員お述べのとおり、ことし9月に無形文化遺産の登録を決定する予定で作業が進められていると聞いております。 本市といたしましては、今後も題目立の無形文化遺産登録決定に向けまして、国・県と連絡をとりながら、追加資料の提供や保存会への説明など可能な限り支援を行ってまいりたいと考えております。 次に、題目立の無形文化遺産登録に関して、今後、地域として取り組むべきことについてでございますが、題目立は上深川町の八柱神社の秋祭りに奉納される貴重な民俗芸能です。このような無形民俗文化財は、地域の住民の皆様自身が文化財の保持者であり、地域の熱心な取り組みなくしては保護できない性格のものでございます。今回の無形文化遺産への推薦は、この文化財の内容の重要性とともに、地域の皆様が高い意識を持って伝統行事を伝えてこられた地道な努力が評価されたものと考えております。ユネスコによる登録を契機に、さらに題目立の文化財としての価値を改めて認識していただき、これからの伝承活動の励みにしていただきたいと考えております。 本市では、題目立保存会に対しまして、毎年、後継者養成のための補助を行っており、また、伝承の拠点となっております上深川歴史民俗資料館に対しましても、適切な管理のもと伝承活動を行えるように、地元自治会の上深川町自治会を指定管理者に指定させていただいております。今後も題目立の保存につきまして、地域の皆様を支援してまいりたいと考えております。 次に、都祁地域の文化財の普及啓発事業についてでございますが、都祁地域には貴重な文化財が多く存在しております。これらを活用した普及啓発事業は、文化財を紹介することにより多くの方にその価値を知っていただき、文化財保護の意識を高めることができるとともに、このような伝統文化を有する地域の魅力を高めることにもつながると考えております。 現在、本市では、ホームページを利用した文化財デジタル情報発信事業を進めており、題目立を初めとします都祁の文化財につきましても積極的に紹介していきたいと考えております。また、教育委員会が実施します市民ふれあい交流事業の一環として世界遺産を中心とした文化財講座も行っておりますが、この中で無形文化遺産登録を契機とした民俗文化財の見学など、都祁地域の文化財を紹介することも考えております。 今後もこのようなさまざまな機会をとらえまして、文化財の魅力を広く発信していくよう努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(奥田正治君) 18番北君。 ◆18番(北良晃君) ありがとうございました。 2問目は自席から意見なり要望をさせていただきます。 簡易水道事業の公営企業法適用に向けましては、毎年、予算を計上いただきまして、準備を進めていただいていること、これは理解をしております。また、今お答えいただきましたように、新たに簡易水道施設の改善事業が必要であるとのことを初めまして、いろんな点から計画はおくれるようですけれども、法適用化に向けまして、今後とも、どうぞよろしくお願いをしておきます。 なお、簡易水道料金につきましては、合併時の協議でもあり、都祁、月ヶ瀬住民の念願でもあります。早期の一体的なためとか、また公平の原則から考えまして、例えば税で、事業所税では特例法第10条第1項を適用いただきまして、平成21年までは2分の1、22年度からは奈良市に統一ということで一緒になるわけです。それと、例えば補助金の中で敬老会につきましては、都祁、月ヶ瀬では敬老会の補助金を出しておりましたけれども、奈良市では出しておられずに、これも平成21年度までは毎年20%ずつカットしていきますよ、22年度は補助金はゼロですよということになっております。そんなことから考えますと、やはり5年間が一つの区切りかというような気がいたします。どうぞ、そんな意味から、早い時期に住民の声を反映いただけるように要望させていただきます。 それから、1300年記念事業につきましてですけれども、奈良市の記念事業にかける熱意、伝わってまいったと思います。せっかく本当に100年に一度の機会でありますので、何とか本市の観光振興に、また市内の各地域の地域振興につなげていただきたいと思います。そして、あわせて市民全員が参加する記念事業であれば本当にすばらしいと思っております。私も、大和高原の振興、また都祁地域の振興という観点から、地元の地域おこしの取り組みとして働きかけてみたいと思っております。幸いにいたしまして、全国お茶祭りございます。また梅サミットといった催しもございます。都祁におきましても、吐山町の太鼓踊りなり、またそういう地元の無形文化財もございますし、また青空市場等で野菜を提供するということも考えられると思います。これらを生かした形でのいろんな取り組み考えられると思いますので、お客さんが大和高原を訪れていただけましたら本当にすばらしいことだと思います。その節には改めて御支援のほうお願いをしておきます。 平城遷都1300年記念事業につきましては、今まで問題になっております平城宮跡の交通対策だと思います。宮跡周辺にお住まいの皆様方、交通渋滞等による日常生活への影響を心配されるのは当然だと思います。市長から答弁もありましたけれども、実効性のある交通対策をぜひお願いいたしたいと思います。そして、記念事業、本当にやってよかったと思えるように、言えるようにみんなで頑張っていけたらと思います。 それから、題目立のユネスコ登録につきましてでございます。国・県と連絡をとり、可能な限り支援をしていただくという回答でございます。 昨年も10月12日の八柱神社の宵宮、午後7時30分から「厳島」が奉納されました。清盛や弁財天に扮しました青年8人が約1時間30分かけて演じられました。17歳になられまして、17歳に仲間入りをしまして、多くの青年が学業のためにこの奈良市内やまた京都、大阪等で下宿なり寮生活を送っている若者がほとんどでございます。ただ、8月からはこの題目立の練習のために下宿先と都祁との間を往復し、行き来をしておられ、大変な労力を費やされております。ただ、本番では見事に演じられました。また終了後、演者たちと話す機会がございましたが、皆さん方、本当に達成感でいっぱいだったと思います。 それと、余分なことですけれども、一昨年ですか、一人の子供さんが、本当に本番間近になりまして学校の部活で足を骨折されまして出場できなくなり、急遽お兄さんが前の経験を生かして代役を務められたというお話もお聞きをいたしました。このように、地元保存会としては少子化の中、またいろんな後継者不足に悩みながらも、この名宝をばねに住民力を合わせて守っていくとの決意をされております。市とされましてもできるだけ後援をお願いしておきます。 これで私の質問終わらせていただきます。 ○副議長(奥田正治君) 26番蔵之上君。   (26番 蔵之上政春君 登壇) ◆26番(蔵之上政春君) 政翔会の蔵之上でございます。一般質問をやらせていただきます。 100年に一度しかないという世界不況。非常にこれは歯どめがききません。日本は経済大国にかかわらず、大荒れに荒れております。政治、経済ともに、日本国民は耐えることを強いられておる現況でございます。政府の景気抑制対策の給付は、収入の低い老人が給付してもらって涙を流している報道がされている反面、億単位で懐を肥やしている業者や政治家がある。さらに、振り込め詐欺というのか、それはやや終息の感がありますが、次々と手口を変えて、老人に給付された金まで搾り取ろうとする人間がいることに強い憤りを感じておりますが、暗いニュースばっかりで、もうこれはこういうことは要りません。明るいニュースがマスコミにいっぱい報道されることを願っている次第でございます。 奈良市におきましても、3月議会の冒頭に市長が突然不出馬を宣言されて大変びっくりしました。奈良市民はもちろんのこと青天のへきれきだと、こんな感じをしておるわけでございます。ただ、市長は今後とも残り一生懸命やるということでございますので、そういうことに力を入れていただけるかと、こう期待しております。 それでは質問に入らせていただきます。 通告しておきました教育問題を教育総務部長に、それから、さらにもう1つ教育問題について学校教育部長に、そして東部の農業政策について観光経済部長にお尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。 奈良市の教育ビジョンについてお伺いします。 本年4月から幼稚園では新しい幼稚園教育要領に基づく教育が実施されるとともに、小・中学校でも新しい学習指導要領の実施に向けて移行措置が始まります。今回の学習指導要領の改訂は、子供たちの学力低下を背景に、これまでのゆとり教育の流れから、確かな学習を育成するために授業時数や教育内容をふやす大きな改訂です。特に教育内容では、コミュニケーション能力の基礎となる言葉の力の育成、科学技術の土台となる理数系教育の充実、そして伝統や文化をはぐくんできた国や郷土について理解し、継続、発展させる教育の充実などが主な改善事項となっております。 さて現在、教育委員会で策定が進められている奈良市教育ビジョンの中間報告では、こうした学習指導要領の改訂も踏まえて検討しているということで、その内容に期待しております。また、教育は中・長期的な展望を持って計画的に進めることが大事であり、そうした意味でも教育ビジョンの果たす役割は大きいと考えています。 そこで、教育総務部長にお尋ねします。策定中の教育ビジョンに込めようとしている本市教育の基本的な考え方や、新しい学習指導要領と関連して教育ビジョンに反映しようとしている主な施策についてお聞かせください。 次に、小中一貫教育についてお伺いします。 ことしに入って、小中一貫教育に関して大きなニュースが飛び込んでまいりました。それは横浜市と大阪市の2つの都市で小中一貫教育を行うとの報道です。横浜市では平成24年度から、大阪市では平成23年度からすべての市立小・中学校で小中一貫教育を実施するという内容です。このようなニュースに触れますと、本市が平成17年度から田原小中学校で実施してきた小中一貫教育もその良さが認められ、全国的に広がってきたんだなと感じました。 ことしの1月に品川で開催された小中一貫教育全国サミットでは、田原小中学校長が全国から参加された1,500名近くの参会者の前で4年間の取り組みの成果を発表し、本市の小中一貫教育が全国的にも注目をされたと聞いております。昨年、教育委員会から出されたリーフレットによりますと、本市における小中一貫教育の目標は、9年間の連続した学びの中で確かな学力と豊かな人間性の育成にあると書かれております。また、小中一貫教育とは、小・中の文化の壁を乗り越え、小・中の教職員が一体となって教育に取り組むことだとも言われております。 私もかつては教育界に身を置き、子供たちの健やかな成長に微力でございますけれども力を注いでまいりました。中学校長として一人一人の子供たちに卒業証書を手渡すときに、この子が4月から高校生や社会人となっても自分に自信を持ち、堂々と胸を張って歩んでいってほしいと願うとともに、この学校でしっかりとした力をつけて卒業させてあげることができたのだろうかと、常に自問自答しておりました。子供たちのかけがえのない15の春をしっかりと輝かせて卒業させることは、私に与えられた使命でもあると考えておりました。今、全国に広がりつつある小中一貫教育とは、まさにそのような思いを小学校と中学校の教員がともに持ち、子供たちをともに育てていくというまことにすばらしい教育であると考えております。 そこで、学校教育部長にお尋ねします。本市においては既に先駆的な小中一貫教育に取り組まれているとは思いますが、その現状と来年度の取り組みについてをお答えください。特に、田原小中学校と同じ施設一体型の小中一貫教育を目指している富雄第三小中学校の今後についてお答えください。 3つ目でございますが、ハローイングリッシュ事業についてお伺いします。 国際文化観光都市である奈良市には、毎年、海外から多くの観光客が来られます。平城遷都1300年記念にかかわり、今まで以上に来られるのではないかと思います。世界遺産である社寺を訪れたり、ならまちを散策したり、奈良公園でシカにせんべいを与えたりといった姿をよく見かけますが、せっかく外国から来てくださっているお客様に対して、親切に声をかけたり話をしたりしている日本人の姿を見ることはめったにありません。私はとても残念なことだと思っています。奈良市の子供が外国からの観光客に声をかけ道案内したり、奈良の文化遺産のすばらしさを伝えたりすることが、奈良のすばらしさを世界にアピールすることになると思っています。 そういう意味で、昨年度から市内のすべての小学校において始められているハローイングリッシュ事業には大変期待しています。ハローイングリッシュ事業で身につけた力で、奈良の子供たちが笑顔で奈良のよさを語る姿が目に浮かぶようです。小学校3年から6年におけるハローイングリッシュ事業は国際理解の一環として実施されており、英語の歌やゲーム、英会話の練習だけでなく、英語アシスタントによる外国文化の紹介なども行われていると聞いております。このような地域人材を活用し、すべての小学校で英語活動を行っている市町村は珍しい、本市ならではの特色ある教育活動であると思っています。従来は、中学校で初めて英語に触れる子供がほとんどであり、英語学習に意欲的な子供とそうでない子供の差が大きくあり、それが子供の英語の力に影響していたのではないかと考えます。英語学習とよい出会いができた子供たちは、意欲的に学習することで英語の力も伸びていきますが、そうでない子供は英語嫌いになってしまっていたのではないかと思います。また、中学校の英語学習には、文字指導や文法、定期テストなどもありますので、苦手意識を持ってしまう子供もあるかと思います。また、来年度からは小学校5、6年生で外国語活動が始められると聞いております。 そこで、学校教育部長にお尋ねします。このハローイングリッシュ事業の英語活動における成果はどのようなものでしょうか。また、来年度から始まる外国語活動とハローイングリッシュ事業をどのような関連を持たせて進めていくのかお聞かせください。 問い4番目になりますけれども、小・中学校における携帯電話の状況についてお伺いします。 携帯電話は、素早い情報入手や自己表現の楽しさなどで生活を便利でおもしろいものにしてくれるため、若者の間でも携帯所持率が急速に高まっており、小学校で約20%、中学校で60%、高校生では実に95%以上の所持率になっていると聞いております。しかし、携帯電話は便利性がある反面、急速に所持率が高まったことによる対応のおくれや情報モラルの低下によって、インターネットにおけるトラブルやいじめなどの問題が発生するなど、青少年の健全育成に支障を来している実態が数多く報告されております。また、有害な情報にアクセスしたり、金銭感覚のゆがみや危ない人につながるなど、青少年が犯罪やトラブルに巻き込まれる事態が急増しているという報道もなされています。さらに、携帯電話を使って一日に数百回メールのやりとりをしたり、ゲームに没頭したりするなど、携帯電話を手放せないというような携帯依存の若者も多く、結果として学力の低下につながっているのではないかとの指摘もあります。 このような状況下において、昨年の12月、大阪府の橋下知事は府内の全公立小・中学校への携帯電話持ち込み禁止を宣言されました。また、文部科学省はことし1月30日に、携帯電話は学校での教育活動に直接必要ないとして、全国の小・中学校に携帯持ち込みを原則禁止する通知を全国の教育委員会などに出されたと聞いております。この通知に先駆けて行われた昨年12月1日時点の学校における携帯電話の取り扱い等に関する調査では、奈良県の場合、県教育委員会と県内37市町村教育委員会のうち30教育委員会が携帯電話に関する指導方針を定めていませんが、その一方では、県内のほとんどの小・中学校で、学校内で児童・生徒の持ち込み原則禁止にしている実態があると新聞報道がされておりました。また、県教育委員会は県内小・中・高、児童・生徒の抽出調査を実施中で、2月ごろまでにまとめる。この結果を踏まえて本年度中に指導指針を定め、各市町村や各学校に通知するとも出ておりました。 そこで、学校教育部長にお尋ねします。奈良市の小・中学校における携帯電話の取り扱いの状況と、携帯電話の校内持ち込みを規制するなど、携帯電話に関して本市独自の指導方針を定めるお考えはあるのかお聞かせください。 それから、今度はちょっと変わりますが、東部の選出の議員でございますので、野生動物ですね、野生獣による農作物の被害対策についてお尋ねいたします。これは観光経済部長にお伺いするわけですが。 奈良市東部においては、周囲が山に囲まれた自然豊かな地域であります。その分多くの野生動物が生息しており、東部地域や月ヶ瀬、都祁地域では農作物の被害も多く発生しており、特にイノシシや猿などによる被害が深刻化している現状にあります。市から補助金をいただいて、電気さくや防除網の設置をしたり、猟友会にお願いして捕獲してもらったりしていますけれども、全く被害が減らず、被害が拡大する一方であります。市に問い合わせると、イノシシや猿などによる農作物への被害に関する地元からの要望件数だけでも、平成17年度15件、18年度11件、19年度18件の捕獲要望があったと聞いております。その中でも、特に田原、大柳生、柳生、狭川地区では猿による農作物被害が多く発生したとのことでした。猿は20頭から50頭の集団で群れをつくって人家に押し寄せたり農作物を荒らしたりして、鉄砲で撃つこともできず、追い払うしか方法がありません。農家の人たちは本当に困っております。 それから、その次に、本当に曲がり角に来た農業でございますけれども、だんだん農業する人が少なくなってきた。担い手ですね。そういうものをどうして今後育成していくのかということについてお尋ねしたいと。 近年、農業、農村を取り巻く社会経済状況の変化に伴い、農業地域においても急速な高齢化や兼業化による担い手の減少が進展し、農業構造の変化や集落機能の低下が見受けられる。今後さらに、このような本市はどういうことになってくるかというと、遊休農地が非常に増加してきます。さらに担い手が不足する。これがさらにだんだんと深まっていくことが懸念されます。市の均衡ある発展や新鮮で安全な食料の供給を図り、農地の有効活用の促進は緊急問題であろう、課題であろうと思います。奈良市としての取り組みについてお尋ねいたします。 これで私の第1問を終わります。 ○副議長(奥田正治君) 教育総務部長。   (教育総務部長 嶋田康敬君 登壇) ◎教育総務部長(嶋田康敬君) 蔵之上議員の御質問にお答えいたします。 教育ビジョンに込めようとしている本市教育の基本的な考え方及び新しい学習指導要領と関連して、教育ビジョンに反映しようとしている主な施策についてでございますが、教育ビジョンに込めております基本的な考え方は2つございます。 1つ目は、社会全体で子供を守り育てるために、学校と地域との新しい連携の仕組みを構築するなどの横の連携に重点を置いております。具体的な施策といたしましては、夢・教育プランや学校支援地域本部の推進を上げております。 2つ目は、一人一人の確かな学力や豊かな心をはぐくむために、幼児教育と小学校、小学校と中学校との子供の発達と学びをつなぐ縦の接続に重点を置いております。具体的な施策といたしまして、幼小連携や小中一貫教育の推進を上げております。 また、新しい学習指導要領との関連では、奈良らしい教育の推進としまして世界遺産学習や小学校ハローイングリッシュ事業の充実など、主な改善事項に対する施策を上げております。最終報告に向けまして、パブリックコメント及び奈良市教育ビジョン懇話会で検討いただきました意見をもとに修正するとともに、教育用語の説明資料を添付するなど、教職員はもとより市民の方々にもよりわかりやすい教育ビジョンとなるよう作業を進めまして、早期に策定してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(奥田正治君) 学校教育部長。   (教育長職務代理者学校教育部長 中室雄俊君 登壇) ◎教育長職務代理者学校教育部長(中室雄俊君) 蔵之上議員の御質問にお答えをいたします。 まず、小中一貫教育についてでございますが、今年度は先進的に取り組んでまいりました田原小中学校のほかに5学校群をパイロット校に指定し、小・中学校教員の研修や先進校視察、協議会の設置など、来年度に向けた準備を行ってまいりました。来年度につきましては、奈良市の小中一貫教育の大きな特色の一つといたしまして、外国青年を英会話の指導助手として配置し、子供たちの英会話力の向上や、これからの社会に対応できる国際理解教育の推進を図るために、英会話科の実施を行ってまいりたいと考えております。情報科や郷土なら科におきましては、本年度計画いたしましたカリキュラムに基づき、各校の特色を生かした内容で取り組んでまいります。 また、富雄第三小学校では、学校や地域、保護者の皆様とともに施設一体型の小中一貫教育校の開校に向けて協議会を設置するとともに、教員の研修を深め、中学校教員の授業を行うなど、小中一貫教育校につながる教育を行ってまいりたいと考えております。 都跡小・都跡中学校や、飛鳥小・飛鳥中学校の連携型の小中一貫教育校では、中学校教員が小学校で授業を行ったり、行事を通して小・中の子供たちが交流を深めたりしながら小学校の教育を中学校につなげ、中1ギャップの解消と確かな学力の定着を図ってまいりたいと考えております。 小学校と中学校の緩やかな接続を目指した小中一貫教育を行うことで、魅力ある授業づくり、魅力ある学校づくりを進め、一人一人の個性や能力を伸ばしていくことができるよう、今後も取り組んでまいりたいと考えております。 続いて、お尋ねのハローイングリッシュ事業についてでございますが、本年度も地域在住外国人など89名の英語アシスタントの御協力により実施をいたしております。今年度の成果でございますが、1月に実施をいたしましたアンケート調査によりますと、「英語活動が楽しかった」と回答した児童が昨年度の81%から2ポイント増加をいたしております。また、英語アシスタント全員、担任教員の90%が「英語に親しませることができた」と回答しており、英語活動の充実が進んできたと考えております。さらに、子供たちからは、「友達と英語を使ったやりとりが楽しい」「もっと英語の言い方を覚えたい」といった積極的な声が届けられております。 また、来年度から学習指導要領の改訂に伴い、小学校5、6年生に外国語活動が導入されますが、本市では先進的に取り組んでまいりましたハローイングリッシュ事業の成果を生かし、世界遺産を初めとする奈良のよさを世界に発信できるような奈良らしい外国語活動に取り組んでまいりたいと考えております。 続きまして、お尋ねの奈良市の小・中学校における携帯電話の取り扱い状況と、携帯電話の校内持ち込みを規制するなど携帯電話に関する本市独自の指導指針を定める考えはあるかというお尋ねでございますが、まず、携帯電話の取り扱い状況につきましては、議員御指摘の文部科学省調査によりますと、本市の場合、小学校では94%、中学校ではすべての学校が携帯電話の校内持ち込みを原則禁止にいたしております。しかし、携帯電話を校内に持ち込む必要がある場合には、保護者からの要請のもとに許可をし、登校すると下校時まで担任等に預けるといった対応が多くの学校でとられております。 続いて、携帯電話の校内持ち込みを規制するなど、携帯電話に関して奈良市独自の指導指針を定める考えはあるかということでございますが、教育委員会といたしましては、昨年度、携帯電話やインターネットの諸問題に関して啓発用ポスターを作成し配布するなど、これまでにも機会あるごとに児童・生徒や学校、保護者に対する指導や注意喚起を図ってまいりました。また、小・中学校におきましても、携帯電話の校内持ち込み規制につきましては、おおむね適切に対応いたしております。したがいまして、喫緊に本市独自の指導指針を定める必要はないと認識をいたしておりますが、近々、県教育委員会から示される予定の指導指針と連動して対応しなければならないと考えております。 なお、本市教育委員会といたしましては、子供たちが加害者にも被害者にもならないよう、より一層、児童・生徒への指導の徹底を図るとともに、積極的に保護者の皆さんへの啓発に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(奥田正治君) 観光経済部長。   (観光経済部長 志保篤治君 登壇) ◎観光経済部長(志保篤治君) 蔵之上議員の質問にお答えさせていただきます。 まず、野生獣による農作物被害対策についてでございますが、イノシシや猿などの農作物の被害は近年増加傾向にあり、中山間地域を中心に被害が深刻化している状況にあります。このため、被害が顕著な地域では農家の営農意欲が低下し、農業振興の妨げの原因にもなっています。特に猿は、群れと呼ばれるまとまった集団で雌とその子供が一緒に決まった行動範囲を持ち、毎日移動しながら生活をしています。議員お述べのように、1つの群れは20から50頭にもなります。このようなことから、現在、猟友会に捕獲を依頼していますが、十分な駆除ができず、猿が集落に接近してきたら追い払う対策を講じるとともに、地域の人家近くでは容易に食べ物が得られないよう注意を促しています。 今後とも、野生獣による被害の現状を踏まえ、猟友会や関係機関と密接に連携をし、被害防止対策に取り組んでまいります。 続きまして、農地の有効活用と担い手の育成についてでございますが、現在、国においては食料自給率の低下、農地の減少などを問題として、食料の安定供給の確保、農業の持続的な発展と農業地域の振興を図ることとしております。奈良市東部においては、農業振興地域整備計画に即し、国営、県営等の土地基盤整備を進めるとともに、農村地域の秩序ある土地利用に努めてまいりたいと存じます。 一方では、高齢化や後継者不足による担い手に集積されない農地が増加傾向にあるため、集落における農業の将来展望と望ましい農業経営を目指す担い手や営農組織に対して、営農診断、改善方策に努めております。さらに、認定農業者等の担い手を中心として、高齢者や兼業農家も役割を持って集落営農に参加し、将来にわたり継続した東部地域の活性化が図られる仕組みづくりを総合的に実施してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(奥田正治君) 26番蔵之上君。 ◆26番(蔵之上政春君) 御回答ありがとうございました。 本当に適切な御指導、御回答をいただきましたので、2問目は自席から要望をさせていただきたいと思います。 第1番目に、奈良市教育ビジョンについてでございますが、教職員はもとより市民の皆様にとっても、よりわかりやすい教育ビジョンになるよう努力いただくとの答えをいただきました。 教育ビジョンの基本的な考え方の1つ目に当たりました学校と地域の新しい関係づくりは、地域の多くの方々の理解と協力を得て進むものだと思います。また、新学習指導要領と関連した施策として挙げられました世界遺産学習においても、地域でいろいろな人や物に出会うことで成り立つ学習であると思います。そういう意味でも、奈良市教育ビジョンについては、できるだけ多くの方に見ていただき、理解と協力を得ることが必要であると考えます。よりわかりやすい教育ビジョンになるよう工夫していただくとともに、教育ビジョンが策定されましたら広報や啓発に力を入れていただくようお願いします。 第2番目に、小中一貫教育について、本市における小中一貫教育がそれぞれの地域、学校を大切にしながら子供たちのために取り組まれていることがよくわかりました。 英会話科に代表される本市の特色ある教育に期待するところは大変大きなものがあります。と同時に、小中一貫教育では、小学校、中学校の校種を超えた連携が大きな意味を持ってまいります。多くの教育が子供たちにかかわって教育を行う、そのことの大切さ、意義については私の教師経験からも重々承知しております。小中一貫教育とは、それを行うことができるすばらしい教育システムだとも考えております。平成21年度の予算書に富雄第三小中学校校舎設計予算が計上されておりますが、奈良市が今後小中一貫教育を進めていく上では必要なものであると考えます。ぜひとも予算化していただくよう要望します。 ハローイングリッシュ事業について、ハローイングリッシュ事業を核に外国語活動に取り組まれることがよくわかりました。 私は、どの教科においても意欲が大事だと考えています。ハローイングリッシュ事業では、子供の英語活動に対する意欲を引き出していただいていることを聞き、安心いたしました。ハローイングリッシュ事業で培った英語の力やコミュニケーション能力を用いて、外国から来られた観光客に奈良のよさを伝えることができる、そして外国の文化に触れることができ、これからの国際感覚豊かな子供を育てることになると思います。ますますのハローイングリッシュ事業の充実をお願いしたいと思います。 次に、小・中学校における携帯電話について、本市の携帯電話やインターネットに関しての取り組みについてよくわかりました。 4月1日には、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律がいよいよ施行されます。子供たちを有害な情報から守るためには、それらが含まれるサイトを画面に表示しないように制限するフィルタリングはとても有効な対策です。また、子供に持たせる携帯電話にフィルタリングをかけることは保護者の責務ともなります。ただし、子供からの願いに負けて保護者がフィルタリングを外すようになれば、せっかく法律を制定した意義がなくなってしまいます。この法律の意義を学校や保護者に周知するとともに、今まで以上にインターネットの適切な利用に関する教育の推進や啓発をお願いいたします。 全体を通しての要望ですが、本日伺いましたことは、奈良市の教育や子供たちの健やかな成長にとってどれも重要なことであると改めて感じました。その中でも、子供たちに確かな学力をつけることはその中核をなす部分であると思います。新しい学習指導要領によりまして授業時間数もふえ、なお一層基礎、基本の充実や学ぶ意欲の向上が求められています。また、変化の激しい今の時代をたくましく生き抜くための力を子供たちに身につけさせていくことが、我々大人の責務であります。子供たちの明るい未来のために、特色ある奈良市の教育をより一層推進していただきますようお願いいたします。 その次に、東部のイノシシと猿の問題でございますけれども、イノシシの捕獲に関しましては、東部においては大体1年間で120頭から130頭捕獲している、そういうことを猟師さんに聞きました。捕獲頭数が、しかし生まれてくる。シシの子、シシは多いですね、子供。多産系ですね。そして非常に多くなりますから、追っつかない、それが状況なんです。電気さく等、網とか、そういうものを市からいただいております。ところが、冬場は以前はイノシシが春日山へ逃げ込んでおったと。ところが、このごろ暖冬のせいか、自分たちのその農耕地の近くでもうすんでいるような状況があり、そして、えさがなくなりますから田んぼのあぜを砕いてしまうんです。そしてえさを求めて生活している、そういう状況なんです。あぜを砕いている。大変、農家も悲鳴を上げております。 猿の捕獲でございますが、今までそんなことはなかったんです、私の町内、忍辱山町でも。ところが、猿が30頭から40頭ほどおり、それがボスの猿が引っ張っていって指導している、そんな状況があって、何をするか、軒につらくってあるタマネギ、それもやっちゃう。それから、シイタケつくってますわな。そのやわらかいのを全部食べてしまう。朝になったら今までしっかりつくってきた、精魂込めてつくってきたそういう作物を一晩の間になくして茫然としている農家が非常に多いということで、何とか猿を捕獲するのか、ところが撃つのが猟師さんは嫌いです。それは何でか。人間の親戚みたいな感じでかなんねと。バンと撃ちたいのはもう。撃ったら死によりますわな。しかし、どうもかなんと。そしたらどうしたらええのかということですが、奈良県ではそんなことはやっておりませんけれども、発信機をつけて、ちょっとけがを負わす。そしたらそこへ発信機をつけて、どこをどう動いておるかというその移動状況を調べるだけで、大分、町内が、あっ、あこに来るの、今度は来よるかわからんと、ほいたら追い出そうと。ああ、あの町へ行ったらあかんなと、猿も賢いですから、そんなことは考えると、こう思うんですね。だから、協働でやってほしいなと。 それから担い手、これが難儀です。本当に私の近くの農地もみんな荒らす人が出てきて、これが奈良市の水源地に水を引くことが枯れてくるんじゃないかと、そんな懸念さえするわけです。今はまあ休まる人がおってもですね、やはり荒らすということはどうもぐあいが悪いと思うわけでございます。農業政策にひとつ力を入れていただいて、担い手もさることながら、町からそういう農耕地を求めてつくる人にどんどん来ていただいて、田舎と町との交流も深めていただくようにやってもらえれば一挙両得だと、こう考えております。 大変いろんなことを申し上げましたけれども、ひとつ山のために、教育のためにもお力添えをいただきますようにお願いして、終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ○副議長(奥田正治君) 11番北村君。   (11番 北村拓哉君 登壇) ◆11番(北村拓哉君) 日本共産党の北村拓哉です。 既に通告をしております数点について、市長並びに関係理事者に質問いたします。過日の質問と一部重複するところもあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。 まず、環境行政についてであります。 奈良市東部の京都府に近い地域は、産廃処分場や資材置き場、残土処分場などが集中しています。この地域は1970年代以来、不法投棄が相次ぎ、でき上がったごみの山と隣り合わせで周辺住民が暮らす状況となり、環境汚染が心配をされてきました。そのうち、周辺住民から俗称法用新山と呼ばれている巨大なごみの山の隣に、以前、産業廃棄物の最終処分場として使われていた場所がありますが、そこに設置をされている土壌汚染や地下水汚染を防ぐための排水処理施設が機能停止をしています。市としてこれからどうしていくのか、企画部長にお聞きをします。 また、法用新山など不法投棄や産業廃棄物が積み上げられたままになっているこの地域の水は、赤田川に流れ込みます。下流域の木津川市住民からも、水質汚濁の心配の声が上がっています。奈良市が行っている取水検査の場所やその結果はどうなっているのか、あわせてお答えください。 次は、教育・保育行政についてであります。 まず、学校輝きプラン事業について質問します。 奈良市では2005年度から、教育内容の改善・充実などの目的で、各学校園が創意工夫した計画を立てて地域の特徴を生かした独自性のある教育活動を行う事業として、学校輝きプラン事業が市立の幼稚園や学校で進められてきました。この事業は、具体的には、例えば基礎、基本を身につける学習、読書活動、職場体験、夏の水泳教室、舞台発表、親子での植物栽培や花いっぱい活動、地域とのふれあい交流活動、一流のスポーツ選手や音楽家による講演や芸術鑑賞などなど実に多彩で、本物に触れる貴重な体験ができたり、確かな学力をつけるためのきめ細かな取り組みがされるなど、学校や幼稚園で条件に応じて主体的に活動が展開されており、昨年度の事業評価では外部委員からは100%が、教職員からは99%が満足かおおむね満足と評価されていました。 ところが、来年度予算案では輝きプラン事業の予算が全くなくされています。そして、そのことは3月2日の校園長会ですべての学校園に対して初めて伝えられましたが、現場では混乱や当惑が広がっています。来年度予算案からなくした理由は何か、本事業はぜひとも継続すべきだと考えますが、市長の所見を伺います。 2つ目に、小中一貫教育にかかわり、学校教育部長にお聞きします。 現在、田原小中で行われている小中一貫教育を奈良市は2011年度からさらに5地域に拡大するとして、その中でも小中の施設一体型の学校を富雄第三小学校で施設を増設して進めるとしています。通学区域についても検討がされ、現在の三碓小学校の区域を変更すること、そして、この4月から希望者は富雄第三小学校に行くことができる扱いがされたと聞いています。通学区域検討委員会でどのような審議がされたのか、今後の見通し、学校現場や保護者、地域住民への説明はどうなっているのかお尋ねをします。 3つ目に、学校規模適正化計画の具体化として、都祁地域に建設予定の認定こども園の施設の概要について保健福祉部長にお聞きします。 次は、子供施策についてです。 全国的に少子化が進んでいます。中でも奈良市は特に少子化が進行しており、合計特殊出生率はこの間ずっと全国や奈良県の率よりも下回り、2007年度では全国1.34、奈良県1.22に対し、奈良市は1.14となっていて、抜本的な少子化対策を進めていくことが本市の課題になっています。昨年9月に庁内関係部局間の連携を確保し、少子化対策を総合的かつ効果的に推進するために、市長を本部長として奈良市少子化対策推進本部が立ち上げられました。副本部長には副市長と教育長が充てられていて、市長部局、教育行政部局を挙げて、まさに全庁的に取り組んでいく体制が整えられたわけであります。 次世代育成支援対策推進法に基づいて自治体が策定を義務づけられている次世代育成支援行動計画は、2009年度をもって前期計画が終了します。この法律の目的は、少子化の要因として指摘されている子育て環境を整備することにあり、2010年度からスタートする後期計画は、自治体の子育てにかかわる医療、保健、保育、教育などの条件整備計画であり、奈良市にとっても今後5年間を見据えてどのような子育て環境を整備するのかが問われます。 そこで、保健福祉部長にお尋ねします。来年度作成する後期行動計画策定のスケジュール及び新年度予算案に盛り込まれている少子化要因の実態調査はいつどのように行うのか、お答えください。 子育て環境を整備する上で、子育てにかかわる経済的な支援を進めていくことは重要です。その一つとして乳幼児医療費助成制度の拡充があります。奈良市では、現在入院、通院ともに小学校入学前まで所得制限なしで実施をしていますが、対象年齢をより引き上げて実施する自治体が広がってきています。群馬県は昨年4月から入院医療費が中学卒業まで無料になり、ことし10月には通院医療費も中卒まで拡大されます。そして、入院、通院ともに所得制限もなく、都道府県単位で中卒までの完全無料化は全国でも初めてのことですが、全国的に対象年齢拡充の流れが進んできています。子供が小学校に上がってから安心して医療が受けられるようにするためには、特に入院が必要になったときの経済的な負担が重くなっており、その負担の軽減が求められます。子育て安心の奈良市を実現していくためにも、乳幼児医療費助成制度の拡充は重要です。 市長にお聞きしますが、奈良市で入院の無料化を中学卒業まで実施した場合の費用はどうなりますか。 次に、市営プールについて、市民活動部長にお聞きをします。 まず、新年度予算案に市営プールなどのスポーツ施設を高齢者が利用する際に利用料を軽減する予算が計上されていますが、いつからどのように進めていくのかお尋ねします。 屋外型市営プールについては、奈良市は財政難を理由に、ことし夏の使用を最後に青山・平城プールを閉鎖するかもしれないとしてきましたが、市内から気軽に市民が利用できるプールがなくなる中で、プール存続を求める市民の声が広がり、これまでに奈良市に対して5,608筆の存続を求める署名が提出されています。昨年夏には青山、平城の各プールの利用者にプールについてアンケートがされていましたが、その結果の特徴についてお聞きします。 また、青山・平城プールを現在の規模と内容でリニューアルした場合の費用をどう試算されているかもお答えください。 最後に、諮問第1号、使用料の徴収に関する処分についての審査請求について市長に質問します。 これは、失業し定職のない非課税世帯であり、生活のため就学援助並びに国民健康保険料及び奈良県立高等学校授業料の免除といった扶助や減免を受けている生活困窮者が、上水道料金の免除を申請したところ、奈良市水道事業管理者が免除を認めないとする処分の決定を不服として、その取り消しなどを求める審査請求について、審査庁である奈良市が採決をするに当たって議会に諮問されたものでありますが、審査庁としての基本的な考え方をお示しください。また、水道事業管理者が新たに生活困窮者への福祉減免の基準を設けて減免の範囲を拡大しようとする場合、我が党はこれまでから一貫して求めてまいりましたが、奈良市が一般会計から繰り入れをしてその経費を負担すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 以上で第1問を終わります。 ○副議長(奥田正治君) 市長。   (市長 藤原 昭君 登壇) ◎市長(藤原昭君) 11番北村議員の御質問にお答えいたします。 まず、私に対しては、第1は学校輝きプランの事業の予算化がなされなかったことについてでございますが、これは平成17年度より特色ある学校園づくり、開かれた学校づくりの一層の推進を目指すということで、すべての市立学校園におきまして、みずからの課題や地域の特色に合わせた事業を行い、奈良市の学校教育の発展に一定の成果をおさめたと認識をしております。 平成6年度から実施してまいりました学校園活性化対策推進事業から数えますと、通算15年間にわたり、それぞれの学校園で特色ある事業を行ってまいりました。本事業を活用して実施されておりました小学校での国際理解教育は、現在ハローイングリッシュ事業として本市の教育に根づいております。また、この間、はつらつコーチングプラン事業やスクールサポート事業など、時代に対応した事業の展開も進めてまいりました。 このような経過から、新年度の予算編成に当たりましては本事業は休止させていただくものでございます。今後は、現在策定中の奈良市教育ビジョンを軸に据え、奈良市の教育のさらなる質の向上に向け、小学校1・2年生全クラス及び幼稚園全クラスの30人学級の実施、新しい世界遺産学習の推進、小中一貫教育の推進など、施策の重点化を図ってまいりたいと考えております。 次に、乳幼児が入院したときの医療費助成の対象を中学校卒業時まで拡大した場合の費用についてでございますが、乳幼児医療費助成制度は、県の助成制度を基本に、小学校就学前まですべての乳幼児を対象として実施をしております。現在、乳幼児医療費助成金は約3億8500万円で、そのうち入院に要する経費は7500万円でございます。お尋ねの入院の助成金を中学校卒業まで拡大した場合に要する経費は約8400万円の増額となります。 次に、諮問第1号の基本的な考え方についてでございますが、この案件は、市民からの経済的な生活困窮を理由とする水道料金の免除申請に対し、水道事業管理者が免除を認めなかったことを不服としてなされた審査請求について、審査庁として裁決をするに当たりまして議会にお諮りするものでございます。この案件におきまして、水道事業管理者は、生活困窮に対する配慮は一般行政における生活保護制度により対処されるべきものであり、水道料金の減免で対処しなければならない理由はないとしているところです。しかしながら、生活困窮者の救済の手段は生活保護に限定されるものではなく、一般行政にあっては審査請求人のように生活保護に至らない者であっても、その実態に応じて減免の制度を運用しているところであります。 ところで、地方公営企業法では、地方公営企業は常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならないと定めております。したがって、公共の福祉の観点から、水道事業にあっても、審査請求人のような状態の者に対しても一律に排除するのではなく、その具体的な実態の把握に努め、負担能力の有無を精査し、真に必要とされる者には減免、徴収猶予等の配慮ができるよう基準を設けて対応することが検討されるべきとして、その主張を認容したところであります。 なお、この措置の内容によっては審査庁として公共的な立場から経費の負担についても考えてまいります。 以上をもって答弁といたします。 ○副議長(奥田正治君) 企画部長。   (企画部長 森本恭平君 登壇) ◎企画部長(森本恭平君) 11番北村議員の環境行政についての御質問にお答え申し上げます。 産業廃棄物最終処分場の排水処理施設についてでございますが、御指摘のように民間事業者が設置した最終処分場の排水処理施設が現在停止状態になっております。そこで、排水処理を行う責任のある最終処分場の設置者やその関係者に対して、その管理責任を追及していくとともに、廃棄物処理法などの法令について法的なスキームを整理し、今後の対応を検討してまいりたいと考えております。 続いて、奈良市が行っている水質検査の場所及び検査結果についてでございますが、いわゆる赤田川におけるモニタリングは法用・東鳴川地区の8カ所、木津川市内の1カ所において継続的に定点観測を実施いたしております。その結果ですが、河川における環境基準のうちでBODがやや高い数値を示しているときもあります。しかし、現在の利水状況から、周辺住民の方の健康被害や農作物へのリスクはほぼないと考えております。 以上でございます。 ○副議長(奥田正治君) 学校教育部長。   (学校教育部長 中室雄俊君 登壇) ◎学校教育部長(中室雄俊君) 北村議員の御質問にお答えをいたします。 まず、お尋ねの富雄第三小学校区で計画をしている小中一貫教育校の通学区域に関する検討委員会での審議内容についてでございますが、富雄第三小学校に中学校を新設し、施設一体型の小中一貫教育校とすることにつきましては、地域において推進協議会を立ち上げていただき、現在、具体的に計画を進めているところでございます。保護者の皆様からは、移行期の不安から、現在の指定学校である富雄中学校へも就学できる方策を実施してほしいという強い要請がございました。そこで、1月末に教育委員会の附属機関である通学区域検討委員会を開催し、1点目として、全学年がそろうまでの2年間は富雄中学校への通学も認める弾力的な運用について、2点目として、新設中学校の通学区域の基本的な考え方について審議をお願いしたところでございます。その結果、中学校開校からの2年間は弾力的な運用を図ることで了解を得るとともに、また、通学区域の基本的な考え方としましては、現在の三碓小学校の過大化の解消もあわせて考慮することとし、通学区域の変更と隣接学校からの選択を認めることについて了解を得ました。さらに、審議の中で、委員から、富雄第三小学校においては平成21年度から英会話科など小中一貫教育校開校に向けた新しい教育の取り組みが始まることから、可能な限り早い時期に隣接校の希望者については弾力的な扱いにより、富雄第三小学校への就学を認めるべきであるという御意見もいただいたものであります。 次に、通学区域設定の今後のスケジュールについてでございますが、通学区域検討委員会での意見を踏まえ、平成21年度から三碓小学校の通学区域からの希望者は富雄第三小学校への就学を認めるという扱いをすることとし、早急に保護者説明会を開催し、周知を図ってまいります。また、校区変更に関しましては、具体的には富雄川西側の三碓五丁目及び六丁目を仮称富雄第三小中学校の通学区域に含めるのが最も合理的であると考えております。地域住民の方々に説明を開始したところでありますが、皆様の賛同を得ることが最も大切でありますので、今後、十分協議を行いながら、通学区域検討委員会でも審議をお願いし、可能な限り早い時期に結論を出してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(奥田正治君) 保健福祉部長。   (保健福祉部長 荒木惠子君 登壇) ◎保健福祉部長(荒木惠子君) 北村議員の御質問にお答えいたします。 仮称認定こども園都祁保育園の施設概要についてでございますが、平屋建て、延べ床面積約1,900平方メートル、定員は160名でございます。施設の内容の主なものとしては、保育室9部屋、リズム室、ランチルーム、子育て支援室であります。都祁地域における子育て支援や保育ニーズにこたえるため、保育所型認定こども園として平成22年4月の開園に向けて、現在は園舎の実施設計を終えたところでございます。 続きまして、次世代育成支援行動計画後期計画策定のスケジュール等についてでございますが、平成17年3月に奈良市次世代育成支援行動計画の前期5カ年計画を策定し、つどいの広場や地域子育て支援センター事業など、特定14項目に関しましては数値目標を掲げて実施してまいりました。新年度は、平成22年度を起点とする後期計画を策定する段階でありまして、前期計画の総括を行うとともに、事業の見直しや、昨年末実施いたしました子育て世代のニーズ調査の結果を踏まえ、少子化対策に向けた各種事業の具体的な数値目標を掲げてまいります。 また、後期計画の策定と推進に当たりましては、外部委員で構成する奈良市次世代育成支援対策地域協議会からも提言をいただき、他の機関との連携、調整を図りながら進めてまいります。 計画の策定スケジュールでありますが、特定項目につきましては8月をめどに、その他の項目につきましては年度内の策定を考えております。 次に、少子化要因実態調査についてでございますが、本市特有の少子化の要因及び地域の状況を明らかにし、その結果をさきの後期計画にも反映していきたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(奥田正治君) 市民活動部長。   (市民活動部長 神田義隆君 登壇) ◎市民活動部長(神田義隆君) 北村議員の御質問にお答えいたします。 まず、高齢者のスポーツ施設等の利用料軽減についてでございますが、このことにつきましては、少子高齢化社会が進む中、高齢者の皆様に健康でゆとりある心豊かな生活を送っていただくため、65歳以上の市民の方々が市営の屋外プール、屋内温水プールを個人使用される場合のプール使用料を免除しようとするものでございます。実施につきましては、本年4月1日から実施を予定しております。 次に、平城・青山プールの利用者へのアンケート調査の結果の特徴についてでございますが、その主な特徴は、アンケートに記入いただきました方々の住まいにつきまして、おのおののプールから2キロ以内の方が54%、また、両プールとも市の北部に位置しておりますことから、市外の方が20%余りおられました。このようなことから、見方を変えますと、2キロ以上の市内の方の利用は20%程度にとどまっている状況にあるということもできると考えます。 また、今後の運営につきましては、70%余りの方が、現在と同程度でよいので施設を改修して今後も運営を続けてほしいと回答しておられます。 次に、両プールを今後も運営していくための改修経費の積算についてでございますが、先ほどのアンケートにおきましても、大多数の方が現状と同程度での施設改修で存続をと答えておられますことから、現在と同規模でのプール槽の改修とともに、ろ過機や管理棟などの附帯する施設、設備等を含めた全面改修を行うにはどの程度の経費が必要かを市役所内の専門部署に依頼し、建築、電気、機械、土木など専門職員が現状の確認も行い、経費の積算を行ったところでございます。 その結果、改修経費の見積り額は、平城プールにつきましては約3億2000万円、青山プールにつきましては約1億7000万円で、両プールを合わせた総額は4億9000万円となっております。 以上でございます。 ○副議長(奥田正治君) 11番北村君。 ◆11番(北村拓哉君) 2問目は自席より行います。再質問を数点いたします。 子育て施策、教育・保育行政にかかわって、まず市長にお聞きをします。 1つ目に、乳幼児医療費助成制度についてであります。 奈良市で中学卒業まで対象年齢を拡充した場合の費用は約8400万円ということでありました。現在、小学校入学前までなので、中卒までとなると年齢でいえば9年齢引き上げるということになるんですが、受給者数というのは概算でお聞きすると約2万7000人になるということのようでありますが、それで8400万円ということであります。これは、私は市の姿勢次第では実現が視野に入ってくる費用ではないかと思います。子育てしやすい奈良市を実現していくためにも、医療費無料化の対象年齢を引き上げること、せめて入院費用分だけでも中学卒業まで拡充すべきだと考えますが、いかがですか。 さらに、学校規模適正化計画にかかわってお尋ねをします。 この計画では、幼稚園や保育所、小学校や中学の統廃合を進める内容が相当数含まれております。それで市長にお聞きをしたいのは、子供の数が減ってきている問題は、子供の教育の問題としてだけでなく、まちづくりの問題という認識を持っておられるのかという点であります。 もう1点なんですが、地域から幼稚園や学校がなくなれば地域の核がなくなり、コミュニティーが崩れ、その地域から子供のいる世帯やその世代が離れていってしまい、少子化をどう解決していくかという立場から見ても逆行することになるのではないかと。少子化を克服していく取り組みを推進する立場からも、学校や幼稚園、保育園、この統廃合問題は慎重な扱いが必要だと考えますが、この点もあわせてお答えいただきたいと思います。 もう1点、市営プールについて市民活動部長にお聞きをします。 青山・平城プールの利用者アンケートでは、現状と同程度でよいのでプールを続けてほしいという声が圧倒的でありました。存続を求める署名も市に提出をされています。こうした利用者や市民の意見をよく聞いて検討することが必要になっております。市内から県営プールまでなくなったもとで、青山・平城プールは存続すべきでありますが、今後どうされていくのかお答えください。 以上で2問目を終わります。 ○副議長(奥田正治君) 市長。 ◎市長(藤原昭君) まず、乳幼児医療費助成につきまして、せめて入院だけでも中学校卒業まで拡大するつもりはないかというお尋ねでございますが、子育ての家庭の経済的負担を軽減して、そして安心して子供を育てる環境づくりをする、そのためには乳幼児医療費助成の拡大につきましては、これは検討課題であるという認識はいたしております。また、この辺に関しましては、県下の市町村の動向もやはりちょっと注視をし、そして制度拡大につきましては県にも要望をしてまいりながら考えてまいりたいというふうに思います。 次に、子供の数が減っている問題というのは、まちづくりの問題と関係してくる、そういう認識は持っているかということでございますが、これは先ほど藤本議員の御質問にもお答えをさせていただきましたように、少子化の問題というのは、1つはやはり人口減少傾向の一因でもあり、適切な人口の確保という点で課題が出てまいります。そのこと自体は、言うまでもなくまちの活力の保持とか地域コミュニティの維持など、まちづくりの面からも重要な問題であるというふうに認識をしております。 次に、少子化を克服していく立場に立って、学校、幼稚園、保育園の統合問題の慎重な扱いが必要だと考えるかどうかについてでございますけれども、この学校規模の適正化というのは、子供たちにとってよりよい教育環境の中で効果的な教育を受けられるように、どのようにすれば適正な規模、適正な配置として考えて進めていけるかということを考えているものでございまして、そういう意味では、適正化の対象となる地域におきましてもその議論を十分にしながら、協議会を設置していただいて、今、十分協議しながら慎重に進めているというところでございます。 以上でございます。 ○副議長(奥田正治君) 市民活動部長。 ◎市民活動部長(神田義隆君) お答えいたします。 アンケートの調査結果によりまして存続を求める声が多いということから、奈良市のスポーツ振興審議会におきましてこのほど諮問をさせていただいたところでございます。審議会におきましては、小委員会を設けて検討するという結果を得ております。また同時に、今後のこのプールの運営につきましては、地域のこのプールは宅地開発に伴います近隣の公園の整備の一環として設置されたものでございますから、地域の皆様方、地域の関係者、また公募委員も含めた検討委員会の会議を持ちまして検討を進めていきたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(奥田正治君) 11番北村君。 ◆11番(北村拓哉君) 3問目は市長要望を行います。 少しちょっと時間がありませんので、予定していた分をちょっと割愛しながら市長要望を行っていきたいと思います。 まず、産廃処分場の排水処理施設が機能停止している問題であります。 実はこの問題は、ここからの水が流れ込む赤田川の下流域の木津川市の住民の方々からの心配の声が私たちのもとへ届きましたので、住民の方々や、木津川市の私たちの同僚議員や山口裕司議員と一緒に現場に行きまして水路の水などを見てまいりました。施設の機能が停止している影響は、近くの水路の水をとってその場で行った薬品を使った簡単な水質調査でも確認ができました。水の汚れははっきりわかりました。特にBODやCODの値は施設に近いほど基準値を大幅に超えて高くて、環境が汚染されていました。周囲には水田が広がっていますが、そこの農業用水は産廃の影響を受けていない別の沢から引いた水が使われているとは聞いていますが、下流に行くと他の支流からの水が合流して希釈されるとはいえ、先ほどの答弁からもリスクが全くないと言い切れないわけで、市の調査でも基準を超えるBODの値も出ています。特に木津川市民にも心配されている問題ですので、情報を公開して説明責任を果たしていただくことと、排水処理がされるような最大限の取り組みを要望します。 また、この東部地域は、産廃処分場や一般廃棄物の埋め立てなどがされていたり、また不法投棄が繰り返されていた経過があります。いわゆるごみの山の根本的な解決をどう図っていくのかが大きな課題です。少なくともこれ以上環境汚染を拡大させないことが必要です。そういう背景も踏まえ、このたびの清掃工場の移転候補地の対象にも数カ所上げられていますが、選定に当たって慎重な扱いが求められることも指摘をしておきます。 輝きプラン事業なんですが、これは先ほども言いましたように、現場では本当に多彩な形で継続をされてきた事業であります。この時期になりますと、来年度の講師や施設を予約したり、具体的な構想を現場では当然練っていて、来年度に予定をしているもう教育活動となっています。予算がゼロになるとなると、現場は大パニックに今なっています。この事業を通じて子供たちに感動を与えたり意欲を引き出したりしてきた活動が来年度なしということは、現場からすればできないし、そうすると保護者に負担を求めるしかないというふうになって、どの現場でも今頭を抱えています。休止という表現ではありましたが、ぜひこれは事業継続をしていただきたい、この点を強く要望します。 乳幼児医療費助成制度についてなんですけれども、中卒までの入院についての拡充を求めましたが、既にこれは中核市の中でも4市は入院について中卒まで拡大しておりますし、都道府県段階でも、ことし2月1日時点で4つの都道府県で入院が中卒まで引き上げられています。中核市の岐阜市は、県制度では就学前が対象年齢になっていますが、市独自に入院を中学卒業まで拡充しています。ぜひ奈良市でも中卒まで実現をしていただきたい。改めて要望しておきます。 最後に、諮問第1号について一言申し述べたいと思います。 上水道料金の生活困窮者へのいわゆる福祉減免について、審査庁として明快な考えが示されたと思います。すなわち公共の福祉の観点から、水道事業であっても、経済的な生活困窮者についてその具体的な実態把握に努めて、真に必要とされる人については減免や徴収猶予などの配慮ができるような基準を設けて対応することが検討されるべきだとされましたが、私はこれは妥当な判断をされたと考えます。1問目でも触れましたように、私たち議員団はこれまでから一貫して生活困窮者への水道料金の減免を求めてまいりました。水道事業給水条例で規定している減免の特別な理由の基準は、普通に水道を使っていても給水装置が破損などをして漏水したケースに限られていますが、これはいわば事故ですから減免されても当然です。経済的に困窮している市民に対して、福祉的な立場から減免を適用するように私たち求めてきたわけですが、とりわけ今、100年に一度と言われる経済危機と言われる状況で、市民の暮らしがかつてなく大変になっています。ぜひそういう中で負担を軽減する、こういう立場で進めていただきたいということを思います。 減免の経費についても、私どもかねてから一般会計からの繰り入れを求めてまいりました。実際中核市でも、昨年8月時点の調査では14の市で一般会計からの繰り入れがされていますし、それ以外の自治体でも行われております。減免の対象もそれぞれに独自に基準を設けて適用されています。奈良市の水道料金の減免を生活困窮者にも拡大する場合、ぜひ奈良市として、一般会計から負担する用意がある、このような答弁をされたと受けとめました。ぜひその方向で実現していただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。 ○副議長(奥田正治君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午後2時51分 休憩   午後3時20分 再開 ○副議長(奥田正治君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○副議長(奥田正治君) 質疑並びに一般質問を続行いたします。 32番金野君。   (32番 金野秀一君 登壇) ◆32番(金野秀一君) それでは、通告に従いまして副市長に数点質問を行います。 まず、昨日の代表質問の中で人事評価の質問があり、御答弁をいただいていますが、重複を避け、質問を行いたいと思いますので、御答弁をよろしくお願いいたします。 それでは、まず行財政改革と人事評価制度について質問を行います。 平成20年11月の定例記者会見で、市長は、第3次総合計画後期基本計画及び実施計画で平成22年度までに累計で約172億円の収支不足が見込まれていましたが、職員数の削減や事務事業の再編による事業の見直しなど行財政改革の推進によりこれに対応してきたところです。しかし、計画策定から2年以上が経過し、この間、社会情勢の変化や新たな事業の展開等により当初計画に差異が生じてきていますので、今回、事業の進捗状況等も勘案して財政見通しの見直しを行いましたとありました。また、今後の財政見通しとして、平成21年度で49億2100万円、平成22年度で49億8200万円の収支不足が見込まれると報道されました。この結果を受けて、平成21年度予算編成方針では、市を取り巻く現状を市職員全員が把握し、事務事業の再編整理等の行財政改革を職員全員が推し進め、財政を立て直すという総意のもとにおいて進めなければならないと述べておられます。 奈良市は、行革の財政見通しの違いの原因として、この間、社会情勢の変化や新たな事業の展開等により当初計画に差異が生じてきたと述べておられますが、私は、財政見通し違いの原因分析が不十分ではないかと思います。すなわち、行革目標が達成できなかった問題点を外部要因に求め、内部要因への探求が述べられていませんでした。内部要因としては、職員の熱意ややる気、スキルアップの人材管理の問題点や組織運営の問題点、そして、結果評価が的確に行われたのか等々を指摘せざるを得ません。また、従来から指摘している職場風土に原因があると考えますが、いずれにしても、行財政改革推進を初め事業の実現や組織運営にとって、人はその成否を左右する重要な資源であるという観点から、職員の採用から退職までの人材育成計画が必要であり、年功序列の人事管理から、職員の個性を尊重し、能力を伸ばし、能力・実績主義の人事評価など、トータルなものとして人事制度の再構築をしていかなければならないと考えています。 国では平成12年12月には行政改革大綱が決定され、国家公務員、地方公務員制度の抜本的改革が実施され、その後改訂を加え、平成17年12月には行政改革の重要方針が示され、平成19年7月に公布された国家公務員法等の一部を改正する法律第108号の中で、能力・実績主義の人事評価を導入することとし、人事評価とは職務を遂行するに当たり発揮した能力及び上げた業績を把握した上で行われる勤務評定であると定義されています。そして、そのために政府は新たな人事管理の基礎となるツールとして人事評価制度を確立しようと、平成20年度に試行実験を実施されてきました。 そこで、奈良市の人材育成基本方針はどのようになっているのかお聞きいたします。そして、財政を立て直すという総意のもとに取り組むとされていますが、行財政改革を全職員が推し進めるためのシステムはどのようになっているのかお聞きいたします。 次に、現在、奈良市では勤務評定をもって任用や昇進並びに配置転換等々を行っておられますが、能力評価や業績評価を主とする職員の評価の客観性、公平性の高い人事評価制度の導入がモチベーション向上に必要と考えますが、今後の取り組みについてお尋ねいたします。 次に、平城遷都1300年祭への取り組みについてお尋ねいたします。 平城遷都1300年記念事業協会では、年間催事計画を示されました。奈良市では20億円の資金提供と協会への職員の派遣、そして「美しい日本、はじまりの奈良」を合い言葉に奈良市独自の取り組みとして、もてなしの環境整備を図るための事業を検討・企画していくために平城遷都1300年記念事業奈良市市民連携企画会議を立ち上げ、1300年の奈良の歴史、世界の歴史を改めて学び、世界に奈良を伝えていくことを基本理念として、企画テーマを「1300年の歴史に学び、1300年先の未来へ」とし、市民がどのような形で参画できるかを多方面にわたる委員の皆様の御意見を5点にまとめ上げられました。その(1)が、宿泊型講座仮称なら旅塾、(2)仮称naramono cafe、(3)クイズラリー仮称「1300年の歴史を巡る、奈良界隈」、(4)国内外の友好・姉妹都市との交流事業、(5)1300年祭市民連携企画補助事業、そして、市内各地で行われる年中行事等に1300年祭の冠をつけて実施されようとしています。 これらの事業を見て、市民連携企画会議で示された奈良市独自の取り組みとしてはこの5つの企画なのか、また、テーマとされた「1300年の歴史に学び、1300年先の未来へ」に沿った事業になっているのか、本当にこれらの事業で奈良市民が満足できるのだろうか、そして、より多くの市民が1300年祭に参加・参画できる企画なのかを深く議論されたかについて疑問を感じるところです。平城遷都1300年祭は、県が企画運営主体となって、国家的行事にとの思いで取り組みをされていることは理解しますが、開催地の奈良市として市民が一人でも多く参加・参画できるメーン行事がなければいけないのではないかと考えます。そこで、奈良市としてどのようなメーン行事を考えておられるのかお聞きします。 次に、私は、この平城宮跡で行われる1300年祭、そして今後、国営公園化されていこうとするときに、奈良市民の喜びとなり誇りとなるためにも、一人でも多くの方々が行事に参加・参画していただくことが成功への要因となり、今後のまちづくりの力になってくると考えます。そこで、2点の提案をさせていただき、奈良市の取り組みについてお聞きいたします。 まず、市民参画課のホームページに、昨年の市民企画事業で採用された生きつづける木簡事業が掲載されていましたが、その提案概要には「遷都1300年記念事業への市民の参加意識の高揚を図るため、この節目に生きる奈良市民が、今を生きる証と、また今を生きていたメッセージを未来に残す事業として木簡を書き保存する事業を行うものである」と。そして、「平成21年度は筆と墨を使ってメッセージを書いた木簡葉書を作成・郵送し県外に向け誘客活動を行い、22年度は記念事業開催中に木簡を埋めるイベントを行う」とありましたが、このような事業こそ市民連携企画会議がテーマとした「1300年の歴史に学び、1300年先の未来へ」に沿った事業ではないかと考えます。また、奈良の伝統産業と言われながら斜陽産業となりつつある筆・墨についても、奈良市にとっては今後もなくてはならない産業であり、この機会を通じて墨文化の再生のきっかけとするためにも、この生きつづける木簡事業をメーン行事としていくお考えはないか、また、伝統産業の墨・筆産業の再生にどのように今後取り組まれるのかお聞きします。 次に、1300年記念事業協会が示した行事の中に、10月9日から10月22日まで、大極殿正殿前に特設会場を設置して世界的なアーチストや奈良ゆかりのアーチストによる大極殿音絵巻を夜間数日間開催されます。この開催期間のあいた昼間やあいた夜間に、大極殿をバックにして奈良市の小・中・高校生のブラスバンドの演奏会や、平成13年5月に能楽が第1回世界無形遺産に承認されましたが、伝統芸能のお能や狂言や雅楽や漫才を奈良市内でも子供たちに継承していこうという活動が近年活発に行われてきています。そこで、大極殿正殿前の特設会場で、県内・県外の子供たちによる伝統芸能子供フェスティバルの開催や小・中・高校生のブラスバンドの演奏会など、奈良市のメーン行事として取り組むことが伝統芸能の継承の観点や子供たちの教育的観点からも意義のある行事であると考えます。 そこで、これらの行事を多くの市民に1300年祭に関心を持っていただくとともに、市民の方々に参加していただき、市民の喜びとすることができるような奈良市のメーン催事開催について、どのように考えておられるのかお聞きいたします。 以上で私の第1問を終わります。 ○副議長(奥田正治君) 副市長。   (副市長 福井重忠君 登壇) ◎副市長(福井重忠君) 金野議員の御質問にお答えをさせていただきたいと思います。 まず、奈良市の人材育成の基本方針はどうなっているかについてでございますが、人材育成の基本方針につきましては、現在検討をしているところでございます。職員の自己申告制度を平成18年度から一般職にも導入いたしました。そこで、現在の職務の状況や異動・昇格の希望などを自己申告することにより、職員が少しでもやりがいがあり、職員の適性に合った職務に従事することができるよう異動時に活用いたしております。また、職員数を削減している状況の中、公募制によります研修を拡大することによりまして、職員が自主的に能力開発をする機会を与えるとともに、職務に関連する資格等をみずから取得する場合に助成するなどの取り組みを行い、職員の能力を上げ、限られた人材を有効に活用してまいりたいと考えております。今後、職員に対しまして人材育成に関するアンケートを実施し、本市の人材育成基本方針を定めてまいりたいと考えております。 次に、行財政改革を全職員が推し進めるためのシステムはどのようになっているかとの御質問でございますが、議員御指摘のとおり、行財政改革の推進は市政運営を支える大きな柱でもございます。行政経営という概念が定着している現在、職員挙げてその推進に取り組まなければならないと考えております。このことから、管理職会議や研修の場において、市としての方向性や行財政改革の必要性につきまして市長から講話をいただき、また職員の意識改革に努めているところでございます。 次に、人事評価制度導入についての今後の取り組みについてでございますが、現在実施しております職員の勤務に対する評定は、勤務評定として全職員を対象に毎年の定期昇給時に行うもの、また、中級職員昇任試験、係長昇任候補者試験及び課長職昇任試験の実施時に行うものがございます。特に課長職昇任試験時に実施いたします勤務評定につきましては、課長補佐としての業績、仕事に対する意欲、能力などの評定基準を定め、課長職として適性があるかを判断しているところでございます。しかし、職員の職種や職務職階に応じて求められるその時代の要請に適応した評定の内容を定め、職員の職務遂行能力や勤務実績を正確に把握できるような、公平で透明性が高く、実効性のある人事評価制度を構築する必要があると考えてもおります。 国におきましては、試行期間を経まして来年度から施行され、地方公共団体におきましても、能力及び実績に基づく人事管理を行うための人事評価制度の構築を求められているところでございます。今後、本市の人事評価制度の構築に向けまして制度設計に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、平城遷都1300年祭に関する御質問でございますが、まず、平城遷都1300年祭に奈良市としてどのようなメーン事業を考えているかについてでございます。申し上げるまでもなく、本市は平城遷都1300年祭の主会場となる平城宮跡の地元市でもございます。また、記念事業協会の主要な構成団体でもありますことから、協会の実施いたします事業も本市の実施する事業との認識でもございます。 そうした中、市民の皆様の参加・参画型の事業につきましては、議員お述べのとおり、市民連携企画会議から提案をいただきました事業の一つでもあります市民連携企画補助事業がございます。このほど応募要項を発表させていただき、市民の皆様から問い合わせもいただいているところでもございます。また、記念事業協会におきましても県民活動支援事業や、まほろばステージの一般催事の募集を行っているところでもございます。これらの事業が市民参画型のメーン事業であると考えておるところでございます。また、本市独自のメーン事業といたしまして世界歴史都市会議の開催なども予定をしているところでもございます。 次に、墨・筆の振興策についてでございますが、墨・筆は奈良が発祥の地でもございまして、奈良の伝統産業を代表するものであるという認識をいたしているところでございます。奈良の伝統工芸の一層の発展を図るため、なら工藝館におきまして墨・筆の工芸品を常設展示いたしまして、それぞれの作品のすばらしさを訪れる多くの人々に紹介させていただくこともいたしてもおります。また、奈良工芸フェスティバルにおきましては、奈良製墨協同組合、奈良毛筆協同組合の皆様の御協力を得まして、墨・筆に親しんでいただくためのにぎり墨、また筆づくりの体験等のイベントを行いまして普及に努めているところでもございます。また、県外の物産展におきましても、両組合との連携・協力のもとに墨・筆の販売、紹介に努めているところでございます。 次に、生きつづける木簡事業をメーン行事としていく考えはないかとの御質問でございますが、この事業につきましては、平成20年度の市民企画事業として採択され、新年度から事業を開始するものでございまして、本市といたしましてもしかるべく予算計上させていただいているところでございます。この事業は、議員お述べのように、趣旨や目的におきましてまさに1300年祭にふさわしい事業でありまして、本市といたしましても1300年祭の中核的な事業の一つとして展開できるように、提案者や市民の皆様との協働の取り組みをしてまいりたいと考えておるところでございます。 最後に、奈良市のメーン催事の開催についてどのように考えているかということについてでございますが、ただいま議員が具体例を挙げて御提案をいただきました小・中・高校のブラスバンド演奏会、また伝統芸能子供フェスティバル等々、大極殿前のステージにおきまして、ここを子供や市民の方が利用していただきますことにつきましては関係機関との調整の必要もございますが、提案される事業の具体的な状況に合わせまして協議をさせていただき、市民の皆様と市が協働してともに祭典を盛り上げ、成功に結びつけていく努力は惜しまない所存でございます。 以上でございます。 ○副議長(奥田正治君) 32番金野君。 ◆32番(金野秀一君) 2問目は自席より行わせていただきます。 ただいま私の質問に対しまして副市長より趣旨に沿った御答弁をいただきましたので、あと何点か意見を述べるとともに要望をさせていただきたいと思います。 人事評価制度につきましては、私は大変大切な制度であって、従来は私も人事考課という表現を通しながら民間で行われている人事考課の必要性を訴えてまいりました。奈良市においては勤務評定を行っているということで、なかなか従来取り上げてこられませんでした。この勤務評定を見せていただきますと、その評定項目が業績、意欲、能力ということで、13項目にわたって評定要素というのを置かれています。これは課長職の査定のときに試験に使われたりするという話でございますけれども、ここに、勤務評定の配点、どこに比重を置いているのかなということでウエートを置かれておりますけれども、このウエートの1番に置かれているのが業績、仕事の正確さ、仕事の速さ、連絡・報告、これが1番に置かれて、非常にこれにウエートを置いた従来の評価を行ってこられたように思います。反対に企画・計画や、また折衝力、部下育成力、こういうものはどちらかというとこの表によりますと一番下段のほうに置かれております。ウエートの点数とかが何ぼに置かれたのかはわかりませんけれども、既に地方分権一括法が施行され、地方主権を求められるときであればあるほど、こうした今、能力というこの評定要素こそ、本当に重点を置いた評価制度が行われていかなければいけないんじゃないかなと思いましたので質問をさせていただきました。 そこで、国におきましても、人事評価マニュアル基本編ということで、平成20年7月に人事院から出されております。もう既に昨年1年間、この新しい評価制度をもってやっておられます。 また、いろんなところを調べてみますと、岸和田市ではもう既に平成14年から人事考課制度マニュアルということで、これほどの冊子をつくって人材育成型の制度として今後取り組んでいきたいということが書かれていました。岸和田方式のノウハウがいっぱい詰まっているということで書かれています。これを見ますと、まさに奈良市のように単純に勤務評定ということではなしに、能力、そして業績、結果をした制度を平成14年からもう見直して見直して、これはたまたま18年度の資料でございますけれども、行われていますので、ぜひ積極的な人事評価制度をやっていくことが職員の皆さん方にとってもやりがいのある職場となっていくことでもございましょうし、また、それがひいては市民の満足度を上げていくことにもなると思いますので、ぜひ、国家公務員についてはこの4月1日から行っていくということでございますので、早急に奈良市としてもお取り組みをいただきたいということを要望しておきたいと思います。 それから、1300年事業についてでございますけれども、1300年事業については大変御理解をいただいたということだと思いますので評価をさせていただきたいと思います。特に、私はこの市民連携企画会議というものが、ほとんど何をしているのかわかりませんでした。そして、出てきた結果をこの平城遷都1300年祭の冊子の中で見たら、2つほど明確に書かれている。naramono cafe、宮跡庭園で行うという。平城宮跡の中ではない、まあ平城京の中ではありますけれども、そんなところでやると。それともう一方、この冊子を見てみますと、大極殿前で、大極殿をバックにして、その前に大舞台をつくって夜間照明されたシチュエーションの絵がありまして、これを見たときに、奈良市は本当に何ができるのかなと、何でこんな舞台を奈良市として行事ができないのかなと、こういう思いになって今回の質問をさせていただいたところでございます。 名古屋の万博でも、それぞれの県の日というのがあって、1日はその日をその県に開放するとか、きちっとした行事もとられていたように思います。奈良市が副会長ですか、市長が副会長として協会のほうにも入られていると思いますけれども、余りにも奈良市の行事がメーンに置かれていないんではないかということを感じましたので、ぜひ今、奈良市でも子供たちがお能や狂言等々を一生懸命やっております。こういう子供たちにぜひ大極殿をバックにしたその大舞台で演技を披露していただくということが、その子供たちにとっても将来にわたって思い出となり、語り継いでいかれ、なおかつ奈良の伝統芸能を発展させていく大きなきっかけになるんではないかなと、このようにも思いますので、これにつきましてはもう既にある程度県が企画もしていますが、あいている日を何とか奈良市として協会に、またそして文化庁にお話をしていただいて、実現できるようにひとつお願いをしたいと思いますし、何といいましても、市長の思いであります市民との連携企画事業ということで、まだまだ1300年祭が奈良市民に浸透しているわけではなしに、交通問題を初めさまざまな問題点だけが指摘をされている、それのみに関心を持っている、せんとくんとまんとくんの行事に関しての関心を持っているだけというふうな形で、市民が何も知らないというふうなことで、私たちにもよく、奈良市は何をするんですかという問いかけがあるので、ぜひひとつこうした問題をお願いしたいと思います。 また、先ほど奈良市のメーンの事業として、市長がかねがねおっしゃっています世界歴史都市会議が開催をされるということでございました。これが一つのメーン行事だと。多分、予算から見てもこれが一番のメーン行事ではないかなと、このように思います。市民連携企画補助事業も今回メーンとしてやっていますよとおっしゃっていますが、この事業におきましても、たしか今回の予算書に計上されている予算というのは200万円ではなかったかなと私は記憶をしております。1事業に対して最高100万円という、2分の1、100万円という事業費であるとすれば、2本しかできないんではないかなと。これが本当に奈良市のメーン行事なのかなと。 また話戻しまして、世界歴史都市会議におきましても、これがそうしたらやはり一番の行事なのかなと。じゃ、ここに奈良市民がどうかかわれるのかなと、こういう問題を危惧しているところでございます。そういう意味で、費用対効果を最大限に発揮できるように御努力をいただけると考えていますけれども、このときに奈良市の観光関連を含めた事業者との協議を十分重ねていただき、連携をしっかりと図っていただいて効果を発揮していただきたいし、また、海外から参加される皆さん方と市民や学童との交流行事がセットアップされるように、この世界歴史都市会議においてぜひ実現をしていただきたい。市長の言う文化観光交流都市とするんであれば、この会議を通してどれだけ多くの市民が接触をすることができるのか、交流することができるのかということもひとつあわせてお願いをしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 木簡につきましては、先ほどもありましたように、副市長のほうから御答弁をいただきました。ぜひ奈良市の一つのメーン行事となるように御努力をお願いしたいと思います。1300年祭の中核的な事業の一つとして展開できるよう、提案者と協議をしてまいりたいと、このようにもお述べいただきましたので、ぜひ市長の掲げる協働社会実現のための一つの大きな柱としても、具体的にお取り組みをひとつよろしくお願いしたいと思います。 それで、最後になりましたけれども、一言市長に、歌といいますか、私の好きな歌を贈りたいと思います。市長として、市民との協働社会の構築に向けた取り組みの道半ばですが、勇気ある決断に対して、吉川英治の詠んだ歌とされる、私の好きな言葉を贈りたいと思います。 「菊根分け後は自分の土で咲け」「菊根分け後は自分の土で咲け」。 もう一首、「菊づくり菊見るときは陰の人」「菊づくり菊見るときは陰の人」の二句。 そしてまた、私の尊敬する桂冠詩人の一節を贈り、質問を終わりたいと思います。 「破壊は一瞬 建設は死闘 惰性は暗 希望は明 後退は死 前進は生」「破壊は一瞬 建設は死闘 惰性は暗 希望は明 後退は死 前進は生」。よろしくお願いします。 ありがとうございました。 ○副議長(奥田正治君) 21番山口 誠君。   (21番 山口 誠君 登壇) ◆21番(山口誠君) 通告しております数点につきまして、担当理事者及び教育長職務代理者に質問いたします。 観光産業について、観光経済部長にお聞きいたします。 平成18年12月、観光立国推進基本法が与野党の全会一致で成立しました。また、昨年10月に国土交通省内に新しく観光庁が設置され、貿易立国から観光立国への実現に向けて、観光産業も日本の重要な資源と位置づけ、国を挙げて世界に売り込もうと取り組んでおります。 観光の語源は中国の儒教の経典から来ているようでございます。一国の王はくまなく領地を旅して民の暮らしを見るべし。民の暮らしが生き生きと映ることが他国に対して威勢光輝を示すことができるとしています。いわばその国の威光を知らしめるということであります。観光は政治の反映であるとも説いております。奈良市は国際文化観光都市ですが、奈良市の繁栄を見ていただく環境になっているのでしょうか。 先日2月6日に、観光庁の概要と観光圏整備事業について観光地域振興部の笹森秀樹課長に説明を受け、意見交換をさせていただきました。その中で奈良市の国際文化観光都市としての問題点や方向性を見出す上で大変参考になる点がありましたので、お伺いしたいと思います。 観光庁の資料平成19年度では、国内旅行消費額は23.5兆円、生産波及効果は53.1兆円、雇用誘発効果は441万人というデータがあります。外国人旅行者消費額1.4兆円、訪日外国人も今や無視できない状況です。特に、隣国中国では94万人、韓国260万人と日本に観光に来ているわけですから、姉妹都市の関係からも期待できるわけであります。 また、観光産業は少子高齢化社会の経済活性化の切り札とも言われています。そこで奈良県の状況を見ますと、宿泊旅行統計調査では、来県宿泊者数は47都道府県中47位、外国人宿泊者数は37位であります。宿泊観光旅行の利用交通機関では自家用車が圧倒的に多くなって、貸し切りバス、鉄道、飛行機の順となり、かなりの方がマイカーを使い宿泊されております。このことから、宿泊施設の不足、駐車設備の不足、道路状況の利便性が問題となってくるわけであります。 また、日経リサーチ株式会社のぜひ行ってみたい・行ってもいいランキングでは47都道府県では12位、また株式会社リクルート調査での日本人の奈良県来訪者満足度では5位と善戦しているということであります。わかりやすく言いますと、奈良県の観光産業での経済効果は、他の県よりもまだまだ伸ばせる可能性があるということであります。行きたいけれど宿泊施設が不十分、道路事情が悪いということを改善すれば、まだまだ経済効果を伸ばすことができるわけであります。まだまだ頂点にあるのではなく、私は官も民も大仏商法に甘んじてきたのではないかと思うわけであります。 観光資源を生かすこと、経済の活性化、雇用の創出によって少子高齢化社会を乗り越えていく、そういう観点から、私は都市経営戦略会議の中身の問題としても、観光産業はどの部門でも高い評価や位置を示していかなければならないと思います。観光経済部は国際文化観光都市として総合的な機能を発揮し得る部署として居続けなければならないと考えます。市民のアイデアを掌握し、企画・立案、地域や業界、条例の整備など、奈良市全体として取り組む体制になっているのか、これが問題です。 また、市長説明にもありましたように、一過性のイベントにすることなく、平城遷都1300年祭を皮切りに国内外に示し、奈良の観光産業を前進させなくてはと、私も意を同じくさせていただきたいと思います。来年の遷都1300年祭の年は、宿泊施設はほぼ満杯になるめどがついたとのこと、喜ばしいことではありますが、オンシーズンは満室でも、オフシーズンの取り組みや1300年祭以降の宿泊、経済効果をどのように考えているのか、集客力を高めていくためのコンセプトや宿泊施設のあり方、長期滞在型に対する考えや奈良市としてのおいしい食べ物、飲食街や娯楽施設をどのように考えているのかが今後の課題でしょう。国際文化観光都市奈良にふさわしい考えや、これらの観点からの御認識、意気込みを、また、奈良ブランド誘客戦略などの本予算に計上されている中身についてもお聞かせください。 また、高齢者生きがい対策についてでありますが、さまざまな生きがい対策として補助や交流措置をされておられますが、私は観光資源発掘という観点から質問させてもらいます。さまざまな経験や趣味をお持ちの高齢者の方に、経済効果につながっていく観光施策はないか。観光資源を生かすようなアイデアや企画を生み出すことができないかという点です。既に観光ボランティアガイドや奈良歴史ソムリエなどの取り組みもされておられますが、観光資源発掘の観点からお聞かせください。観光経済部長、よろしくお願いいたします。 次に、近鉄大和西大寺駅周辺道路の混雑解消について、企画部長にお聞きします。 藤本同僚議員から代表質問にありましたように、大和中央道の敷島工区から若葉台工区までの完成にめどが立たない限り、伏見校区の住民の交通安全といった課題は解決しないのであります。大和中央道敷島工区、あやめ池の文教校区ができ上がってきますと、近鉄あやめ池駅南からと伏見中学校前の道路から南下して、両方とも阪奈道路に出てくる線が交差しております。現在も将来もと考えると、何らかの具体的な地元への取り組みが必要と考えます。先日大きな火災事故があり、ひとり暮らしの方がお亡くなりになりました。道路の狭さで通行どめによる迂回路の問題が懸念されます。奈良市の道路事情を把握していない市外からの車による渋滞、地域住民への迷惑等などいろいろ考えさせられます。新規予算にも地域交通システム調査として計上されましたが、路線バスによる安全・安心な交通環境のあり方という観点からは、近鉄大和西大寺駅周辺の住民の利便性を考える上で重要な施策と思いますのでよろしくお願いいたします。 先日、平城遷都1300年祭の地元説明会に私も参加させていただきました。参加者も多く、質問も前向きな内容のものが多くあり、関心の高さを感じました。そこで説明された近鉄大和西大寺駅南側の歩行者の動線の問題です。近鉄橿原線高架下を交互交通という考えでいるようですが、歩行者道路を大きくとるというような説明がありました。そこで、今後どのようになるのか、どういう対応になるのかお聞かせください。 また、平城京北側の駐車スペースがなくなることにより混雑が予想されるとの質問に対して、参加者のパーク・アンド・バスライドの駐車場を予定しており、混雑解消のための宣伝、誘導を考えているとのことでした。今、カーナビの時代、できるだけ近いところ近いところと来られると思いますが、混雑することは目に見えています。奈良市としてどのように把握し考えているのか、また県との交渉でどこまで協力要請されているのかお聞かせください。また、今年度の混雑解消の予算に上がっているのかお聞かせください。 次に、道路行政について、建設部長にお聞きします。 観光都市として、景観や機能は、車いすの方や社会的弱者といわれる子供やお年寄りの方の利便性や安全性を図るという観点とある意味同一だと理解しております。そこで、街路樹のあり方ですが、歩道の機能、安全性に問題があると指摘されたならやま大通りはその後どのような対応をされているのかお聞かせください。 県庁前の歩道においては、歩道と街路樹の位置関係やスペースは十分ありますが、高天の交差点から南にかけての街路樹と歩道の関係が狭く危ないと感じております。道路景観や日陰については残さなければならないと思いますが、例えば市役所西側の桜と歩道の関係や、平城遷都のメーン会場前の大宮通りの街路樹と歩道のスペースや、斜めに傾いた路面はこれでいいのかなと疑問に思います。奈良市全体を見ましても、歩道上の樹木の大木化で悩ましい状況のところはたくさんありますが、道路行政のあり方として、街路樹と歩道のあり方について、現状の御認識とこれからの対応についてお聞かせください。 さらに、企画部長にも先ほど大和中央道関係の質問をさせていただきましたが、伏見校区の生活道路の観点から、児童・生徒の通学路に至る道路事情悪化の原因や認識を建設部長はどのように認識してどのように対応されようとお考えなのか、お聞かせください。また、本年度予算に計上されております、あやめ池疋田線につきましてもお聞かせください。 最後に、教育行政についてでありますが、教育長職務代理者学校教育部長にお聞きします。 30人学級の実施に向けて2億1359万円の予算措置をしていることを高く評価したいと思います。少人数で行き届いた教育ができることは、保護者の皆さんも大変喜んでおられます。学力向上、体力向上にもつながってくると期待をしております。伸び伸びと子供たちが能力を十分に発揮できる学校であってほしいと思っております。 さて、最近の学校を取り巻く環境は、保護者の方ばかりでなく地域の方も、防災・防犯、また学校支援、見守り隊など、特に小学校区での集まりが多くなりつつあります。地域と学校、保護者の顔の見える環境はこれからいろんな意味で重要になってまいります。特に自主防災組織も小学校区ごとにほぼ立ち上がってきました。そうなりますと、学校長の判断を仰ぐことが多くなってきます。防災対策の本部を小学校の敷地内に要請することとか、防災本部テントや備品倉庫などを置いてもらうときなど、何から何まで教育委員会の回答待ちといった対応よりも、自治連合会の会長さんの相談する横で校長先生が「いいですよ」というような判断が早ければ早いほどスムーズにいくわけであります。人を動かし危機を逃れるためには、一瞬の判断が有効になってきます。校長先生の判断は奈良市としての判断という態度が重要となってくると思いますが、校長先生の危機管理意識をどのように持たせてあるのかお聞かせください。 次に、世界遺産学習についての取り組みについてお聞かせください。 私は冒頭、観光産業の経済活性化の観点から質問してまいりました。観光庁の調べでも、新たな旅の経験率と参加希望者の潜在希望率を見てみますと、いやしの旅、歴史ある町並みを訪ねる旅、大自然の魅力を訪ねる旅が上位で、最近の傾向としては世界遺産を訪ねる旅が伸びてきている状況です。関心の高い状況の中、奈良市としての需要は高いものがあると自信を持って紹介できるわけであります。そこで、世界遺産学習の取り組みが重要になってくると思いますが、世界遺産学習について本年度の具体的な取り組みと来年度の予定をお聞かせください。 結びに、心の教育についてお聞かせください。 最近、子供も大人もひきこもりや、すぐキレるといった報道がされます。事件に発展することや、世に出てこない状況も含めて、私は教育のあり方に学校も社会も責任があると考えています。親が働かないのに、なぜ働かなければならないのかとか、大人がうそをつくのに、なぜうそをついたらいけないのか、見ていないから何をしてもいいのかと。そもそも心とか神様とか宗教とかいった見えない教えは、下の者に従わせる、命令するためにつくられていると思っている方もおられます。本当は目に見えないものが大切なことと理解している方が多いのですが、働くことの意義、生きるという意味、心の基本を正していく教育、今こそ見つめなくてはならないと私は思います。そういう観点から、キャリア教育の重要性も地域との接点を多く取り入れることはとても意義深いものだと思います。そこで、心の教育を通しての生き方を考えることについてお聞かせください。 以上で第1問を終わります。 ○副議長(奥田正治君) 観光経済部長。   (観光経済部長 志保篤治君 登壇) ◎観光経済部長(志保篤治君) 山口 誠議員の質問にお答えさせていただきます。 まず、国際文化観光都市としてふさわしい奈良市のあり方についてでございますが、奈良市は世界遺産に登録された文化財を初めとした歴史的観光資源と緑豊かな自然環境に恵まれていますが、これらの観光資源を最大限に生かし、そして市民と一体となって、奈良ゆえの奈良にしかない本物の魅力の発信をしていくことが重要であると考えます。国内外から多くの観光客が奈良を訪れ、奈良の豊かな魅力を堪能して帰っていただく、そのことで奈良が活性化していき、そして、そこで生活する市民にとってもそれを誇りに思う、これが国際文化観光都市としてふさわしい奈良市のあり方であると考えております。 次に、奈良ブランド誘客戦略などの予算計上の中身ですが、宿泊型観光を推進するため、奈良の夜の魅力を創出する「ならまちナイトカルチャー」の開催、柳生地区の個性と魅力ある地域づくり、魅力ある食づくりとして「大和鍋」の普及・啓発、そして新しい奈良ブランドを全国に周知するため、首都圏エリアを初めとした観光プロモーション活動の実施などでございます。 続きまして、観光の視点からの高齢者生きがい対策についてでございますが、団塊の世代が大量退職される中で、高齢者もこれまでの技術を伝承したり新たな挑戦を始めたり、またボランティアやNPO活動への参加など多様な生活に入られます。奈良には歴史のある年中行事、魅力ある観光資源、観光イベントなど数多くあり、また奥深いものがあります。したがいまして、奈良の魅力を探求するため、観光ボランティアガイドへの参加も多くなっています。現在、観光ボランティアガイドの皆様は、奈良をおもてなしの心でお迎えする最前線で活躍していただいており、また、奈良に誇りを持って案内していただいています。そして、多くの観光客の皆様に喜ばれており、これを生きがいと感じておられます。これらのことは奈良にとって大きな財産であり、これからも協働してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(奥田正治君) 企画部長。   (企画部長 森本恭平君 登壇) ◎企画部長(森本恭平君) 山口 誠議員から賜りました近鉄大和西大寺駅周辺道路の混雑解消について、数点の御質問をいただいております。それに対しましての答えでございますけれども、近鉄大和西大寺駅周辺道路の混雑への対応につきましてでございますが、近鉄大和西大寺駅周辺は、議員御指摘のように、鉄道による南北の分断、あかずの踏切、交通渋滞など、かねてよりこういった問題が指摘されておりながら基本的な解決に至っていないという状況は十分に認識いたしておるところでございます。そこで先般、市、県、地元の皆様、鉄道事業者の4者による検討会議を立ち上げるに至ったわけでございますが、駅南の土地区画整理事業の進捗もあり、駅周辺の交通体系や路線バスの見直し等も含めまして、調査及びそれに基づく検討をしてまいりたいと考えております。 続きまして、1300年祭における近鉄大和西大寺駅南から平城宮跡への歩行者動線の確保やパーク・アンド・バスライドの駐車場等につきましてでございますけれども、まず近鉄橿原線地下道においての交互交通等の措置は、奈良県土木部においてあくまでも暫定措置として実施予定でございますので、本市といたしましては、この区間、歩行者動線の市道部分の歩道補修の役割を担うことになってまいります。 次いで、パーク・アンド・バスライドの駐車場についてでございますが、3カ所の駐車場はいずれも奈良県土木部が計画し、交渉に当たっておられます。まず北方面では木津川市体育館、南方面では大和郡山市九条グラウンドを臨時の駐車場として確保する予定でございます。また、西方面に新設として予定いたしております第二阪奈道路中町ランプ付近の中町駐車場は、市といたしましても交通渋滞の緩和という共通課題認識のもと、県とともに地元への説明会等に参加をいたしているところでございます。 なお、本市の来年度予算にはこれらの関連経費は計上いたしておりません。 以上でございます。 ○副議長(奥田正治君) 建設部長。   (建設部長 小島重一君 登壇) ◎建設部長(小島重一君) 山口 誠議員の御質問にお答えをいたします。 まず、歩道にある街路樹と歩道幅についてでございますが、歩道上にあります街路樹は、道路景観や歩行者に提供する日陰や潤いの観点から必要なものと考えております。しかしながら、本市の道路事情において、都市計画街路や民間ディベロッパーにより建設された幹線街路に大木化する樹種を植えられたことにより、歩行者の安全性を欠く事態が一部に見受けられます。御質問にもありましたならやま大通りでは、現在、佐保台東側の北側歩道で街路樹の撤去を行い、歩道の改修・整備を進めているところであります。今後は道路の景観に配慮しつつ、本来の歩道の機能を重視した、安全で快適な歩行ができるよう植栽計画をするとともに、既存の道路についても点検をしてまいります。 引き続きまして、伏見校区の道路事情の認識と対応についてでございますが、伏見校区の道路事情につきましては、大半が生活道路ということで歩道幅が狭いのが現状であります。また、民間ディベロッパーのミニ開発によります行きどまりの道路もあり、道路整備が必要な地区と認識しております。このことから、都市計画道路大和中央道の早期完成を目指しております。昨年には菅原工区を完成させ、5月から供用開始をし、主要地方道奈良生駒線との交差点付近の渋滞解消を図ったところでございます。また、あやめ池駅付近から宝来町へ通ずる市道中部第912号線を初めとする市道の交通量の分散を図ることを目的として、蛙股池南より疋田町、宝来町を通り主要地方道奈良生駒線に接続するべく、現在、仮称あやめ池疋田線の建設を進めているところであります。 なおかつ、地元の方々の要望や通学路の安全対策といった観点から、それぞれ幅員が狭小な生活道路の拡幅や安全対策事業を実施しております。今後も都市計画道路大和中央道の早期完成を目指すことはもちろんのこと、生活道路の改良・改善を図っていかなければならないと考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(奥田正治君) 教育長職務代理者。   (教育長職務代理者学校教育部長 中室雄俊君 登壇) ◎教育長職務代理者学校教育部長(中室雄俊君) 山口 誠議員の御質問にお答えをさせていただきます。 まず、お尋ねの校長の危機管理意識についてでございますが、学校は子供たちの安心・安全を最優先に確保するとともに、災害時における地域住民の避難場所としての機能を果たさなければなりません。そのため、校長はふだんから警察署、消防署、保健所などの関係機関や教育委員会との連携、役割分担の明確化、災害時に備えた防災方針や計画の整備など、常に危機管理意識を持つことが大切であると考えております。また、日ごろから地域の方々との協力関係を築いておくことが、学校へ避難してこられた方々の不安を和らげるとともに、協力し合って危機を乗り越えることにつながるものと考えております。現在、教育委員会では奈良市学校園安全管理マニュアルを作成しており、このマニュアルをもとに、今後、校長が市域の方々や関係機関との連携を深めるとともに、校区の防災面でも必要な役割を担い、一層リーダーシップを発揮するよう指導してまいりたいと考えております。 次に、世界遺産学習についてでございますが、本年度より小学校5年生から中学校3年生において「世界遺産からESDへ」をテーマに、奈良の文化遺産を活用し、奈良を好きになり、奈良を誇りに思うとともに、持続可能な社会の担い手を育てることを目的に実施をいたしております。来年度は奈良国立博物館などの専門機関と連携した教員研修を充実させるとともに、実践事例集を作成するなど、教員の指導力向上に努めてまいりたいと考えております。また、世界遺産学習全国プレサミットを開催し、世界遺産学習を奈良から全国へ積極的に発信してまいりたいと考えております。 次に、心の教育を通して生き方を考えることについてでございますが、自分の将来を前向きに設計することができずに行き詰まっている若者が多いと言われている現状から、子供たちの発達段階に応じた道徳教育やキャリア教育の充実が大切であると認識をいたしております。 新学習指導要領では、規範意識の向上、自他の生命の尊重、社会への主体的なかかわりなど、人としての生き方などを学ぶ道徳教育が重視されております。今後、文部科学省から配布されます新しい「心のノート」の積極的な活用を含め、道徳教育の充実を図ってまいりたいと考えております。 また、キャリア教育では、あいさつをすることやしっかりと返事をすることが基本であると言われております。そのために、幼児期からの発達段階に応じた地域の方々との触れ合い体験、小・中学校における野外活動体験や職場体験学習などを充実させることが大切であると考えております。今後も引き続き、本市の子供たちが社会で自立していけるための基礎づくりに努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(奥田正治君) 21番山口 誠君。 ◆21番(山口誠君) もう時間が過ぎますので、以後は副市長に2問目をしたかったんですけれども、非常にまだ、国際文化観光都市としての奈良の機能が本当にこれから重要になってくると思いますし、たくさんの方々が雇用に大変苦慮しております。そういった意味においては、国際文化観光都市としてのしっかりとした方針を見せることによって、大きな経済効果、あるいは雇用、少子化というふうにつながってくるということを御認識いただいて、お願いを申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。 ○副議長(奥田正治君) 22番松村君。   (22番 松村和夫君 登壇) ◆22番(松村和夫君) 通告をしております3点について、市長の見解を伺いたいと思います。 まず、高齢者の就労対策についてでありますが、御承知のとおり、我が国は今日、人口が減少に転じ、本格的な人口減少社会が到来する見通しになっています。人口減少により労働力人口が大幅に減少することに対応し、経済・社会の活力を維持、増進することができるよう、高齢者、女性、若者等、すべての人の労働意欲と能力とを最大限に発揮できるよう環境整備が求められています。国においては65歳定年制を含め高齢者雇用の法整備も進んでいますが、特に、私も一員でありますが、団塊の世代が2007年より60歳を迎え、定年到達者が大幅にふえ、2012年には65歳に到達し始めるなど、高齢者の能力を生かすための取り組みは早急に進めることが求められています。 藤原市長は、高齢者が生きがいを持ち、健康で長生きできるまちづくりを目指し、団塊の世代に退職後、主体的、積極的に社会参加を求めるため、ここでは詳しく述べませんが、幾つかの新規の高齢者生きがい施策を実施すると新年度予算で提案をしています。これらの施策の実施そのものは評価するところですが、時間の関係で詳しく報告できませんが、年金との関係で生活のために働きたい、健康なうちは働きたいという高齢者の生活実態、意識実態から判断をして、今日極めて重要である高齢者の就労対策が欠落をしているのではないかと思います。あえて言えば、奈良市の高齢者の就労対策はシルバー人材センターが唯一の政策ではないかと思います。もちろんシルバー人材センターは重要な施策であり、拡充を強く求めたいと考えていますが、団塊の世代が定年退職期を迎えた今日、より一層新たな視点から高齢者の能力を生かすための雇用拡大に取り組まなければならないと考えています。 高齢者の就労政策は、奈良市の高齢化社会のありようを問う課題であり、奈良市の政策の重要な柱でなければならないと考えていますが、今日の奈良市の高齢者施策は福祉の視点に特化され、生活のために働きたい、健康なうちは働きたいという高齢者の生活実態、意識実態に基づいての、雇用政策としての高齢者就労対策は極めて希薄であると指摘せざるを得ません。高齢者の就労政策について、市長の見解を伺いたいと思います。 次に、奈良市の交通政策について伺います。 藤原市長は、多くの観光客を迎えるに当たり重要となるのが交通システムの整備であり、観光シーズンには日常生活にも悪影響が出ており、交通渋滞を緩和し、できるだけそれぞれの観光地をゆっくり歩いて見ていただく奈良らしい交通システムをつくり上げてまいりたい、そのためには、新年度にはバス事業者、警察等関係機関とも連携した協議会を設置して、都市内交通システムの整備に向けた調査・検討をしていきたいとのことであります。 今日までに、電車、バス、タクシー、運送など、交通産業で働く労働者で構成する奈良県交通運輸産業労働組合協議会が毎年、県や県警、国土交通省、あるいは奈良市なども参加する奈良県交通問題懇談会において、よりよい交通政策の確立に向けて渋滞対策や交通安全対策など、さまざまな交通問題について協議・懇談をしてきているところであります。私は、設置をされる協議会には行政機関や事業者だけでなく、これら奈良県交通運輸労働組合協議会など交通運輸労働者の視点での意見も反映する必要があると考えますが、この点について伺いたいと思います。 次に、私はこれまでにも中心市街地の生活道路の体系的な一方通行化を含む交通のあり方を検討されるべきではないかと提起をしてきました。奈良市の中心市街地は幅員の狭い生活道路が多く、既に一方通行規制をしている道路もありますが、系統的、体系的な交通規制がなされているとは思いません。狭い幅員のまま相互交通になっている道路が多く、例えばならまちを散策される観光客がゆっくり歩いて見ていただくためにふさわしい交通のあり方を検討すべきではないかと思います。この点についても伺いたいと思います。 また、都市機能として重要である市民の移動手段が安全、快適に、しかも安価で整備されていることが必要であると考えています。今日の奈良市の道路行政での交通対策を含め、多くの交通政策課題があります。そのためには、総合的、体系的に交通政策を企画・立案し、遂行していくための担当部署を設けるべきであると考えていますが、この点についても伺いたいと思います。 最後に、公契約条例の制定と落札者決定ルールについて伺います。 財政難を理由に公共サービスの民間委託が進んでいく中、委託事業者を選定するとき、公契約条例と落札者決定ルールを制定し、法令遵守の中で質の高い公共サービスや、そこで働く労働者が安心して生活できる労働条件を確保することが必要だと考えています。 現在、一般的な入札制度は、価格が安ければよいと価格重視の入札制度になっています。そのため、いわゆる不当廉売を許容することになり、公共サービスの質と公正労働基準が保障されないと思われる金額での落札ケースが増加していると言われています。低価格での入札の結果、そこで働く労働者にしわ寄せが行くことになり、公共サービスの質的低下と低賃金労働者を生み出すだけのことになります。労務提供型の業務委託での入札では、最低制限価格を設けるべきだと考えていますが、見解を伺いたいと思います。 また、価格とその他の要素を総合的に判断する総合評価方式での入札方法が導入され、今日、奈良市では提案型の総合評価入札方式、いわゆるプロポーザル方式での随意契約を数多く行ってきています。奈良市プロポーザル方式に関する基準に基づき、審査事項や評価点など事前公開の上公募し、審査の結果、落札業者を決定するものですが、私はこれまでにもたびたび、実施されている奈良市のプロポーザル方式では公正労働基準や環境など社会的価値の実現に向けての評価項目がないこと、また総合評価を下す審査委員の人事が行政内部で決定されていることなど、公平性・透明性において多くの問題点があると指摘してきました。私は、プロポーザル方式での随意契約では、より透明性・公平性を確保するため、審査し落札業者を決定する審査委員には公募委員を必ず含めるべきであると考えますが、見解を伺いたいと思います。 以上、1問目を終わります。 ○副議長(奥田正治君) 議事の都合により、会議時間を午後5時30分まで延長いたします。 市長。   (市長 藤原 昭君 登壇) ◎市長(藤原昭君) 22番松村議員の御質問にお答えいたします。 まず第1点は高齢者の就労対策についてでございますが、経済の雇用情勢が非常に厳しい中で、団塊の世代が退職され始めた2007年問題に輪をかけて、アメリカで始まりましたサブプライムローン、またリーマンショックによって一段と厳しい状況になってきております。こうした少子高齢化の中で就労のミスマッチ、ワークシェアリング等も言われている状況がございます。その中で、少し御質問の中でも触れられましたが、国の施策ではございますが、高齢者の労働力率を引き上げるため、労働力不足を回避するため、定年引上げ等奨励金の制度も充実が図られております。奈良市はこれらの制度の広報など、労働基準局等とともに啓発をしてまいりたいと考えております。 また、奈良市のシルバー人材センターにおきましても、高齢者の皆さんの豊かな経験と知恵を生かして生きがいを感じていただけるような事業展開を助成してまいりたいと思います。 さらに、市といたしましても、やはり労働も生活保障という面だけではなく生きがいとしても取り上げ、高齢者の雇用対策の幅広い検討が必要であると考えているところでございます。 次に、奈良市の都市内交通システム整備に向けた協議会への交通労働者の参画についての御質問でございますが、観光シーズンに発生いたします交通渋滞を緩和し、観光地をゆっくり歩いて見ていただく奈良らしい交通システムを構築したいと、この考えから、平成19年度には現況把握とか課題整理を行って整備構想をまとめたところでございます。また、平成20年度には、奈良県が実施しました奈良公園を中心とするバス走行実験と連携して、市としてならまち周辺を周回するゾーンバスシステム導入についての社会実験を行ったところでもございます。新年度には都市内交通システムを整備するために協議会を立ち上げ、御議論をいただきたいと考えております。 御質問にございました協議会の参画につきましては、本協議会の参画を予定しておりますバス事業者とも調整を行い、対応したいと考えております。 いずれにいたしましても、交通労働者の御意見等を交通システム構築に反映させてまいりたいというふうに考えているところでございます。 次に、中心市街地の生活道路の体系的な一方通行化を含む交通のあり方の検討の必要性についてのお尋ねでございますが、これは昨年の3月の定例議会におきましても、松村議員より交通渋滞対策や中心市街地の生活道路の体系的な交通規制等につきまして提案をいただいたところでございます。ならまちを含む中心市街地には幅員の狭い生活道路が多く、既に一方通行規制や通学路規制がなされている道路も数多くございます。中心市街地の中にありますならまちは、奈良の地域ブランドとしてPRに力を入れていることもございまして、最近とみにならまちを散策される観光客がふえてまいりました。また、ゆっくりと歩いて見ていただく奈良らしい交通システムをつくり上げていくことも奈良にとっては大変重要なことだというふうに思っています。ならまちは本市にとって重要な観光スポットではあるものの、もう一方では生活の場でもございますので、体系的な一方通行規制を行うには、その利便性や必要性につきましての地域の皆様のコンセンサスがやはり大前提だと考えます。 そこで、交通規制のあり方やバスの運行システムについて、また住民の皆様との合意形成につきましても、先進地の事例など、これは本当に、詳細に具体的に研究をさせていただく、このこともまず必要かというふうに考えているところでございます。 交通問題や交通政策の専門部署の必要性についてでございますが、奈良市のまちづくりにおきまして、交通問題は非常に重要な位置を占めてきているという認識でございますので、交通問題、交通政策の全般を所管する部署の設置に向けての準備をいたしているところでございます。 次に、公契約条例の制定等についてのお尋ねでございますが、労働者の賃金、労働条件を確保する公契約条例の制定とプロポーザル方式による受託業者の決定方法についてでございますが、まず公契約条例の制定につきましては、これは私も労働界からの要望もいただいているところでございます。国におきましても労働条件保護のための一定の法整備がされていますことから、労働関係法令によりまして対応していくべき問題ではないかと基本的には考えております。 しかしながら、労働者保護の問題は大変重要であることから、労働者の賃金や労働条件が適正に確保されるためには、市条例で契約の相手方をどこまで規制することが可能であるかなど、検討をやはりまだ要する事項も多々ありますので、国や他の地方公共団体の動向なども見ながら、引き続き研究をしてまいりたいと考えているところでもございます。 なお、労務提供型の委託契約に最低制限価格を設けることにつきましては、現行法上も可能であり、他都市においては実施している例もございますので、今後、制度化に向けて検討してまいりたいと考えております。 また、プロポーザル方式による受託業者を決定する審査委員会に公募委員を加えることについての御提起でございましたが、プロポーザル方式の実施に関する基準を制定いたしましたけれども、その基準の中で、審査委員は各人の専門性、業績等を考慮して選任した専門家、学識経験者及び市職員をもって組織するものとすると定めたところでもございますが、御質問の中にございましたように、市民参画により開かれた市政運営の推進のために公募委員を加えられるかどうか、これは含めて検討してまいりたいと考えます。 以上をもって答弁といたします。 ○副議長(奥田正治君) 22番松村君。 ◆22番(松村和夫君) 2問目は自席から行います。 再質問はしないので要望しておきたいと思うのですが、いずれにしても高齢者雇用ということで求めたんですが、この質問をするに当たって担当課と議論をしてきたんですが、余りそういう方向での取り組みがこれまでなかったというふうに思っていますし、今後もそう中心施策として取り組んでいこうという姿勢が私としては受け取れなかった。今の市長の回答でも、国なりの制度を事業者なりに紹介をしていきますよという程度の回答かなというふうに思っているんですが、私も、二十数年前にシルバー人材センターを設立するための運動をしてきた経過がありまして、シルバー人材センターの充実・強化については極めて強く求めていきたいというふうに思っているところなんですけれども、それだけではやっぱりだめではないのかなというふうに私としては思っています。私が知り得ている資料によりますと、生活のために働きたいという方が圧倒的にやっぱり多くおられるんですね。それは働かざるを得ないという状況にあるんだろうというふうに思っているんです。 それと、市長、生きがい就労、生きがい対策としてもいろいろ充実させていきたいというふうにおっしゃっているんですが、健康であるためには就労をするということが極めて大事、規則正しい生活をするということが極めて大事な課題かなというふうに思っているんです。それと、先ほど言いましたように生活のためということでありますと、やっぱり生存権の問題なんですね、基本的には。 したがって、私は、もう少し今後ふえていくであろう、そしてまた社会的に、国としての労働政策としても高齢者の能力を活用していかなければならない時代的な背景がある中で、奈良市としてもやっぱりきちっと高齢者の就労対策を行政の中に位置づけてもらいたいというふうに強く要望しておきたいというふうに思います。 それから、もっといろいろ言いたいんですが、これはまた予算特別委員会でいろいろ質疑をしたいと思うんですが。 それから、公契約条例の関係なんですが、これにつきましても具体的には予算特別委員会の中で質疑をしていきたいというふうに思っているんですが、ただ、1点だけ、ここで申し上げておきたいというふうに思いますのは、やっぱり今、市長が就任されてからでも随分これまでの事業を民間委託されてきておられますし、また今後も進めようとされているんですね。そういった中で、私なりに判断をすれば、今日契約しているやつが100なんですね。次回に契約するやつは100以下なんです。これは必ずそういう形でないと落札できませんからね。そしたら、例えば1割下がった90になったやつはどこへしわ寄せが行くのかといいますと、そこで働いている労働者に必ず行くことになるんですね。 したがって、私はやっぱり、少なくとも早く奈良市としてこれだけの労働条件は確保するんですよというような形での契約のあり方を追求するべきではないか。それが奈良市で働く労働者の福利、福祉にもなるわけでありまして、だから、ぜひ早期に検討をいただきたいというふうにここでは要請をしておきたいと思います。 私は民間委託には基本的には反対でありますから、そういったことを安易にされないようにはしてもらいたいとは思うんですが、そういうことで要望しておきたいと。 それから、プロポーザル方式の関係なんですが、プロポーザル方式と横文字で言われると何かいい方法かなというふうに思うんですが、基本的には随意契約なんですね。極めて任意性の高い随意契約だというふうに私は思っています。確かに基準をつくられてされるんだけれども、いわゆるその選定をする人を選ぶ時点で、私は既にだれが落札することが想定できる可能性だってあるんではないのかなということを思ってしまうんですね。だから、確かに公開の場でされる形で基準は定められておるんですけれども、しかし、選定をする人を行政サイドで決めるわけですから、透明性あるいは公平性という点からすれば、極めて現状のあり方では私は問題があるんではないのかなというふうに思います。 そういう意味で、いわゆる公募委員、その方式がいいかどうかはあるんですけれども、透明性なり公平性が確保できるような、担保できるような形のあり方をさらに検討いただきたいなということを要請して終わりたいと思います。 ○副議長(奥田正治君) お諮りいたします。 本日の会議はこの程度で打ち切り、明14日及び明後15日は休会し、16日午前10時より本会議を再開して質疑並びに一般質問を行いたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(奥田正治君) 異議なしと認めます。 よって、そのように決定いたします。 本日はこれで散会いたします。   午後4時49分 散会----------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。              奈良市議会議長  橋本和信              奈良市議会副議長 奥田正治              奈良市議会議員  柿本元気              奈良市議会議員  高杉美根子              奈良市議会議員  松石聖一...